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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 848

伊豆倉歩美の心には、小学生の低学年のままで、止まってしまったままのもうひとりの自分がいる。
小学1年生で交通事故で死んでしまった弟の充彦(みつひこ)の葬儀の日から止まったまま、ずっと胸のなかにいる。彼女はそれを自覚していない。
海外では家族でバグやキスは当たり前かもしれないが、歩美は充彦と姉弟で一緒にお風呂に入っているときに、お湯のなかで充彦と抱き合ってキスしたのが性の目覚めだった。
大人になっても、小学1年生の弟とキスをした子供の頃以上の興奮と快感と歩美は知らない。
宗教は、人の死の悲しみを葬儀によって整理して落ち着かせてくれ、過去の思いにとらわれないようにしてくれる役割がある。しかし、小学3年生の歩美は、充彦への愛情を整理して鎮めることが、彼女の両親のようにはできなかった。
心の伴侶を、小学3年生で歩美は失っている。もしも弟の充彦が生きていれば、近親相姦の肉体関係を彼女は結んでいただろう。
日本神話の世界ではイザナギとイザナミはヒルコを流して、悲しみを鎮めて国生みを続けた。
歩美の両親は残された一人娘まで失うのは耐えきれないと、母親は専業主婦で家にいることを選んだ。
両親が歩美を連れて病院にかけつけた時には、内臓破裂を起こしていた充彦は、息を引き取っていた。顔や手足には目立つ傷はない。いつ目を覚ましても不思議ではないような、きれいな顔で亡くなっていた。
もっと子供たちのことを気にかけて生活していればと、歩美の両親は後悔した。収入は減るが共稼ぎをやめる選択をして彼女の両親は、充彦の死を受け入れた。
歩美は充彦の遺体の手も握り、葬儀にもいたが、突然、最愛の者を失ったことに納得できずにいた。

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