PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 815
 817
の最後へ

媚薬の罠 817

店を辞めるキャバクラ嬢は、彼だけの特別な優しい女神であることもやめて、個人として彼のプロポーズを乱暴な言い方で断った。
その返答で、特殊なバワースポットのキャバクラ店から、彼の生活する下界に降臨した女神としての北條真凛は消滅したといえる。
キャバクラ店とキャバクラ嬢の北條真凛からの洗脳が解けた、という考えかたでとらえるなら、洗脳は解けていない。
北條真凛という存在は彼にとって特別という思いは変わっていない。
女神から、憎い女性に変わっただけで、特別な思い入れがあることは、何もかわらないからである。
神は死んだ。
哲学者ニーチェの著作の一節に、こんな言葉がある。
信仰が失われたように、キャバクラ店のあるひとりの常連客の心から、恋という火が失われた。
ギリシャ神話ではプロメテウスが天上界から火を盗み、地上へもたらした逸話が残されている。
ゼウスから火を盗み、人間に与えたことの罰として、コーカサスの岩山にしばられ、毎日鷲に肝臓を食われては癒えるという苦しみを長く与えられていたが、英雄ヘラクレスに救われた。
また、ゼウスは激怒して、火を盗んだ人間に罰を与えるため、パンドラという名の美しい女性をつくりだした。
そして「絶対開けてはならない」という箱を持たせ、地上へおくりこんだ。
ゼウスは神殺しの雷の力があり、人間を滅ぼすことも簡単だったはずなのに、わざわざ美女のパンドラをつくりおくりこんだ。
天上界からプロメテウスによって盗み出されたものが、恋をする心の火だったと考えると、ゼウスがパンドラの箱を持たせて地上へおくりこんだのは、恋する心だけでなく、さみしさや嫉妬や憎しみ、陰謀をめぐらす知恵など、優しい恋心だけではない関係するさまざまなものも人間に与えることにしたと思われる。
ゼウス自身も恋をして浮気しまくったので、正妻の女王ヘラは嫉妬の報復で、ゼウスと関係を持った愛人たちに呪いをかけまくった。
恋のすべてを全部プロメテウスが盗み出したなら、ゼウスはニヤニヤと笑い、激怒せずに苦笑いしたかもしれない。
解放されてしまったパンドラの箱からは、あらゆる厄介なものが一瞬で地上へ蔓延したあと、最後にぽつんと箱の中に「希望」という小さなものが残っていたと伝えられている。
宗教の逸話は試練が与えられて、その先に信仰心であったり、愛のかたちを知る物語が多い。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す