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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 807

人の死因で最も多いのは、人間関係なのだと、檜垣隆史から緒川翠は聞いたことがある。
人間が単独行動の獣から、群れを作る獣になり、そこから群れを維持するために必要な人間と、群れを滅ぼす可能性がある人間を選別して排斥してきた結果、言葉や文化のもとの宗教が生まれたと檜垣隆史は話していた。
それは現在の〈天満教〉のリーダーで、檜垣隆史に新しい教祖になってもらいたいと願っている倉持志織から教えてもらったんだと、隆史は自分で考えたり調べたわけではないことを、見栄を張らずにあっさり話した。
群れのなかで生き残るためには、自分が群れにとって必要な人間だと示すこと、そして群れに不必要な人間を心を痛めずに排斥することができる根拠を必要としてきた。

「私のマンガは、私は群れに必要ですとアピールしたい欲望から描かれているってことね」
「女の子が大好きな女の子たちの群れ限定かもしれないけどな、翠の場合は」

隆史はそう言いなから、ベッドで全裸の翠のお尻や背中を撫でていた。

エロマンガでどんな行為を、どんな描写で描くかを、ウイルスに操られていることを緒川翠は想像した。
宿主のカタツムリを操り、カタツムリを鳥に食べさせる寄生虫、ロイコクロリディウム。
ロイコクロリディウムとはカタツムリと鳥に寄生する吸虫。日本では、少なくとも沖縄で1種、北海道で2種が見つかっている。
ロイコクロリディウムの特徴的な点は、中間宿主であるカタツムリの体内で派手な動きをし、最終宿主である鳥を、自らおびき寄せるところにある。
ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリは、本来は隠れているはずの昼間に、葉の上などの目立つところに出てくるようになるといった行動の変化が見られる。
この寄生虫の卵入りの鳥のフンをカタツムリが食べる。カタツムリの体内で幼虫になると、カタツムリに目立つ行動をさせて鳥に補食させる。鳥の体内に侵入して寄生虫は成虫になり、卵はフンとして排出される。
カタツムリの触角を目の形を芋虫のようにふくらませ色をつけて擬態させることで目立たせ、鳥の捕食を促す。

寄生虫のような姿の透明なウイルスが精液や愛蜜にいて、セックスを通じて移動していくのを緒川翠は想像する。
緒川翠が想像した蛇神のしもべのイメージは、見えない寄生虫だった。

檜垣隆史がざっくりと倉持志織から宗教の歴史の説明を聞いたと、緒川翠に本当にざっくりとこんなことも話していた。

アミニズムの時代。
すべてのものに命=神が宿っていると信じられていた。

多神教の時代。
神が人に似ていたり、願い事をすると叶えてくれると考えて、願い事に合わせて対応してくれる神がたくさんいると思われていた。

1神教の時代。
王様みたいに1番偉い神がいて、他の神を従えていると考え始めた。自分のところの神が一番偉いと論争になったり、戦争までした。

悟りの時代。
いろんな宗教ができたので、悩み事が解決するように、同じ宗教のお友達と話し合って何か解決策をみつけたり、納得できる=悟ることを目指すようになった。

「今はこれが人それぞれ宗教観がちがうけど、志織のところは悩み事の相談で来る人が多いらしい」
「うわぁ、本当にざっくりと」

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