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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 804

大母神イザナミは、黄泉の世界から生者の世界へ亡くなる前の元の姿で戻れなかった。
聖戦シャングリ・ラの世界では、僧侶リーナは肉体を蛇神ナーガの異界に奪われてしまった。
しかし、生還したイザナギによって、アマテラス、ツクヨミ、スサノオがあらわれた。
僧侶リーナは、蛇神の錫杖から細工師ロエルによって、賢者の石に錬成された。さらにダンジョンの力と賢者の石を使い、賢者マキシミリアンが召喚することで、世界樹の精霊族の肉体をリーナは得た。
消尽と供給の再生。そこには消尽する前と同じものはエントルピーによって再生されない。しかし、供給によって差異が起きるが、結果として新たなものが再生されていくのである。
世界は常に変容し続けている。
兄妹の近親婚や恋愛に憧れて、妄想して欲情する人たちの興奮した感情や、エロマンガを読んで自慰したエネルギーがどれくらい世界に影響を与えるかはわからない。しかし、妹の可織を愛したがごまかして生きようと自暴自棄になりヤリサーで女子大生たちを凌辱した結果、HIVウイルスに感染した平泉総一郎や、妹の響子をレイプしたヤクザたちを岸本克彦は呪術で自分に蛇を祟らせて得た身体能力で惨殺して復讐した事件など、むごたらしい凶事も引き起こしている。
比翼塚に祀られた木梨軽皇子と軽大娘皇女が、こうした凶事を知ることはない。だが、兄妹の恋愛を貫き通したふたりが自分の心を偽って生きようとした平泉総一郎や、妹から愛されることから逃げて寺へ修行に入り、妹が殺されてから、やっと自分がどれだけ心の伴侶として妹を愛していたか理解し、後悔してヤクザに復讐した岸本克彦の事件を知ることがあれば、とても深く悲しむことだろう。
矢野史乃は平泉総一郎に一緒に死んで欲しかった。一緒に死んでと泣いて叫び、総一郎の腕を包丁で切りつけた。
怯えて総一郎が逃げ出した部屋の中で、自分ひとりで死んで行くことを選んだ。木梨軽皇子と軽大娘皇女は心中したが、矢野史乃は孤独を噛みしめながら自殺した。この孤独の悲しみを知ったら、やはり愛しあって死ぬ時まで一緒だった兄妹は、孤独な史乃の死を、深く哀れんだにちがいない。
イザナミから逃げたイザナギ。
平泉総一郎は逃げ続けてきた。
妹の可織を心の伴侶として認め、愛することから逃げた。
ドラッグの快楽に溺れ、セックスした相手を愛することから逃げた。
総一郎を愛してくれた矢野史乃が死に至る病で絶望して、一緒に死んで欲しいと泣いて頼んだことに怯えて逃げた。
矢野史乃にHIVウイルスを感染させたことを誰にも打ち明けられず、自分もいずれAIDSを発症してしまう不安を抱えて生きるために闘病することからも逃げた。
自殺しようと樹海に踏み込み、恐ろしくなり引き返そうと自殺からも逃げた。
引き返せず「マサルさん」の遺体を穴に落ちて発見し、恐怖に叫びながら穴から這い上がろうと必死にあがいていた。
しかし、もう、彼は逃げきれない。

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