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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 803

島袋琉は、彼女の亡くなった祖母の巫女のように沖縄で暮らして一生を終える運命の選択もあった。だが、彼女は旅立つという選択をした。
彼女もまた疱瘡神の隠(おぬ)の資質を持つ者ともいえるし、また定食屋の夫婦のように、人を助ける護り手でもあるだろう。彼女は日本に帰国すると、アルベール・レノの情報をつかむためには、金が必要だと判断し、荒ぶる神の資質全開で資金調達を行った。その結果、めくりめぐって檜垣隆史が薬師の秘伝の技術で〈天使の涙〉の解毒薬を完成させることになった。
島袋琉は定食屋の夫婦とは違う方法で、人を助けた。〈天満教〉の元教祖である北川天がばらまいたドラッグ、危険な強い自殺願望を誘発する副作用を持つドラッグである〈天使の涙〉の被害を減らすことに貢献したといえる。
〈天満教〉の〈天使の涙〉を使われてジャンキーになった少女の星野舞と島袋琉は親友になった。星野舞は〈天使の涙〉の幻覚で視た天使の絵画を描いている。星野舞が天使降臨の絵画を完成させることで、聖戦シャングリ・ラの世界では女騎士たちが、異界の門を祓うことに成功するだろう。
女騎士たちの命がけの最後の大召喚により、巨大な輝く天使の姿に見えるものが空に作られた魔法陣から降りてきて、異界の門を吹き飛ばすのである。
島袋琉はボーイッシュだが、かなりの美少女で、星野舞は幻覚で感知して視た天使の姿や顔立ちを親友の島袋琉をヌードモデルにして天使降臨の絵画を完成させる。島袋琉は聖戦シャングリ・ラの危機を、全裸姿を星野舞にうっとりとながめられたことで救ったともいえる。星野舞や島袋琉は、聖戦シャングリ・ラの世界の出来事には気づいていない。
すべての世界はつながり、複雑に影響を与えながら滅亡または消滅の危機を回避している。
エントルピーというものがある。世界の力は循環して影響を与えあっているが、100%の力が100%の効果を発揮するわけではなく、最悪の場合1%も効果として発揮されないこともある。
聖戦シャングリ・ラの世界から来たスヤブ湖の贄の巫女は、鬼っ子様として幽霊のように肉体を持たない神体となっている。まるごと瞬間移動の魔法陣のように転送されたわけではない。エントルピーによって、エネルギーが消失して鬼っ子様は肉体を奪われたともいえる。
エントルピーとは、わかりやすくいえば自然に元には戻らないということ。
沸かしたお湯が冷めていくことはあるが、勝手に沸騰し始めることはない。
珈琲に溶かした砂糖やミルクが、勝手に溶かす前には戻ったりしない。
冷めたお湯を沸かすには再び加熱する熱が必要。
珈琲に溶かした砂糖やミルクは水分を蒸発させて、分離させる行程が必要。
世界を維持し続けるには、別の力が常に必要なのである。極端にいえば放置すると、世界は消滅していく。消滅しないように維持するための力が、常に補給される必要がある。
消尽しつくせば消えてしまう。
癌の治療でたとえるならば、癌化した細胞を元には戻せない。
だが、癌化した部分を摘出してしまい、他の細胞を転移して癌化させないようにはできる。また癌化させた細胞を摘出したり、死滅させて、正常な細胞が分離して、失われた細胞分を補うことで再生はできる。
世界の変容、エネルギーの消尽とエネルギーの補給による再生が、常に行われているのである。

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