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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 800

思い出を語り合うふたりの会話が一段落して、沈黙する。テレビの画面からは、緊張するふたりにとっては意味を持たない画像と音声が流れている。見つめあうふたり。ふたりは、おたがいの唇を見つめている。キスしたい。ふたりは同じ興奮と欲情、そして恋慕をひそかに抱いている。
兄はためらう。ここでキスしてしまったら、ふたりきりの部屋で歯止めがきかなくなる。

「大学とかアルバイト先で、彼女にしたい人とかいないの?」
「そっちこそ、高校生なんだから告白されたりしないのか?」

緊張をほぐすために、妹は息子を気づかう母親のふりをする。兄は娘を気づかう父親のふりをする。それでも、恋愛に関する話題なのは、彼女が兄に恋人ができたらと考えただけで、嫉妬を感じずにはいられないからである。
女性は友達という群れをつくる。だが、恋愛の風習では、女性は男性から選ばれる立場なので、どれほど気が合い、親しくなっても、恋愛に関しては比較されるライバルである。それはそれ、これはこれ。恋愛関係から群れの中で階級を作ろうとしたり、優位に立てると行動する女性は、群れの中で敬遠されて排斥されてしまう。安心するために群れの中で、女性たちは平等な立場であろうとする。だから、同調したり、話を聞いて意見を言わずに聞き流すこともする。
男性は、女性と恋愛してつきあうことは嗜みのようなもので、群れのなかで女性と恋愛がうまくいかないということは、その男性に性格で物事に対する意欲が足りないとか、経済力なりに、何か欠陥があると思われがちである。恋愛とその人の全体の評価が、男性の群れの習慣的な考えでは結びついて考えられがちで、女性の群れの風習とは逆である。
若い結婚前の男性にとって、恋人がいるか、異性とつきあってないかという質問は、男性として社会の中でがんばっているかという質問の意味に思いがちな傾向がある。その習慣の感性で兄は妹に、むきになって言い返すような感じで、高校の生活でうまくやれているのかという意味で「告白されたりしないのか?」と思わず口にした。
彼女には、男性と女性の群れの風習の違いはよくわかっていなかった。

「もし彼氏ができたら、お兄ちゃんのバンツを洗ったり、ごはんを作ってあげたりしないんだから!」

なんで妹が急に立ち上がり拗ねたのか、男性と女性の社会性の傾向の違いを、彼もよくわかっていなかったので困惑した表情になった。
女性は社会性の習慣からいえば、言わないでも察してほしい傾向がある。恋愛のパートナーと気持ちを共有したい、相手を理解したいと思い入れが強まるほど、相手にも同じように理解してほしいと感じるようになる傾向になりがちである。相手は相手、自分は自分と頭のなかを整理して、恋慕が強いほど感情を落ち着かせるのは苦手になる。

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