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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 793

イザナギがヒノカグツチを殺した剣は、天之尾羽張(アメノオハバリ)であり、スサノオがヤマタノオロチの討伐に使いて刃こぼれした剣は天羽々斬剣(あめのはばきりのつるぎ)と伝えられている。模倣の反復と差異。とても似た名の剣が使われている。
イザナギがヒノカグツチを殺したことによって、夫婦神のまぐわいではなく儀式で神を生みだした。スサノオはそれを模倣して反復するものとして、ヤマタノオロチを討伐する。だが、神が生まれるのてはなく、天羽々斬剣は刃こぼれし、ヤマタノオロチの尾から、のちに三種の神器のひとつとなる天叢雲剣(あまくものつるぎ)のちに草薙剣(くさなぎのつるぎ)とも呼ばれる剣が発見される。
スサノオは神が生まれるかわりにヤマタノオロチから発見されたこの剣を、高天原のアマテラスに献上している。
完全なイザナギの模倣と反復ではない差異が生じることで、スサノオはイザナギの分身として大母神イザナミを恋慕う呪縛から脱却した。それをアマテラスやツクヨミに伝えるために天叢雲剣を高天原に献上したのだろう。
スサノオの自立の儀式としてのヤマタノオロチ討伐。イザナギの剣の名と似た名の天羽々斬剣の刃こぼれ。討伐は模倣と反復だが、流れる血から新しい神が生まれず、刃こぼれと新しい剣の発見は差異である。
模倣と反復による継続が、力の止揚をピークに力が相殺されて打ち消し合う。
生と死の力が拮抗する瞬間の最も緊迫した止揚が、イザナギとイザナミの夫婦神の物語では大岩を挟んで向き合う瞬間であり、その後は再び模倣と反復が始まる。セックスならは絶頂の瞬間だろう。
天岩戸からアマテラスが引き出される瞬間と、スサノオが天叢雲剣を発見する瞬間は差異として、力の止揚による相殺の力の消滅を阻むことになる。
スサノオはヤマタノオロチから救ったクシナダヒメと結婚して、まぐわって子を残し、地上の国造りの物語が始まる。
アマテラスは、高天原から地上を統治する少年の姿の神ニニギノミコトをつかわす。
ニニギノミコトは、アマテラスオオミカミの孫にあたる神とされている。その時、アマテラスより渡された八咫鏡、八尺瓊勾玉、草薙剣の三種の宝物を携えてニニギノミコトが高天原から降臨する。
八咫鏡はアマテラス、八尺瓊勾玉はツクヨミ、草薙剣はスサノオの力の象徴とも考えることができる。
ニニギノミコトは、流されて追放されたヒルコ、荒ぶる神として高天原から追放されたスサノオの物語の模倣と反復の運命に従いつつ、差異として抗う存在だろう。ニニギノミコトはアマテラスに愛されている存在、かわいい孫の少年として降臨した。
ニニギノミコトとは、天地が豊かに賑わう神を意味する名前が与えられた神である。
八咫鏡、八尺瓊勾玉はアマテラスが天岩戸の奥へ引きこもった時に作られた。引きこもりになったアマテラスに、どうやって心を世界に関心を持ってもらうか、八百万の神のなかの知恵の神であるオモイカネ、多くの神々の思いを兼ね合わせるという意味の名を持つ神が天岩戸の前で、オモイカネは岩屋の前で鶏を鳴かせたり、鏡や玉を作らせて祭を行わせて、さらにアメノウズメに裸で踊らせ、八百万の神たちを盛り上げた。気になったアマテラスが天岩戸の外に関心を持つように、オモイカネは仕向けた。
この知恵の神をアマテラスは信頼していて、かわいい孫を高天原から地上へ行かせる時に、見守らせるために同行させている。オモイカネは、少年の神ニニギノミコトの叔父にあたる。

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