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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 776

夫とのセックスは、愛情を確かめ合うためですらない。手なずけておかなければ安心して好きなことができる生活を手放すことになるから、労働のようなものと考えていた。
もうひとりの金づるの「マサルさん」がなぜ真由をちやほやしているのかを、まったく想像することができなかった。
独身のまま貯金を貯めてきて、リストラされても生活する金に困ったりしない初老の男性。そして、他の若い女性に引っかかる前に、援助交際をしていた真由に釣られた魚のようなものだった。
他の若い女性に目移りして真由から離れたとしても、もともと1回会ってセックスしてお金を貰うだけだった相手なのだから、むきになって引き留めておく必要はない。会いたくないタイミングなら、誘われても会わなくてもいい。
会ってセックスすれば、夫のセックスより気持ち良くなれる。でも、ギャンブルの軍資金が必要な時だけ会えればいい。
真由は結婚前のOLの頃から、ギャンブルにはまっていた。給料日やボーナスの支給日が待ち遠しかった。毎日でもパチンコやスロットができるかもしれないと思ったので、結婚することにした。
綾野美奈子は、大学進学のために長野から上京してきて、憧れていたのとは自分の生活が違うことが悲しかった。
都内では家賃が高く、隣の埼玉にワンルームのアパートから大学に通った。
他の同じ学部の学生たちは都内に住んでいて、綾野美奈子の実家より裕福で仕送りを受けて暮らしている。
美奈子は働きながら大学に通っていた。夜、居酒屋でアルバイトをしていた。
大学に行くと自分があまり変わらない服装で通っていることが恥ずかしくなり、無理して服を購入したこともあった。
美奈子は知らなかった。
裕福に見える他の女子大生たちが、アルバイトでキャバクラ嬢をしていたり、AV女優として働いていたり、援助交際していることを。彼女たちも、実家の仕送りは美奈子と大差なかったのである。
美奈子は大学のサークル活動には気が引けて参加しなかった。他の女子と比べられるのがこわかったからである。
参加していたら、ヤリサーのレイプ事件の被害者のひとりになっていただろう。
ヤリサー。表向きは普通のサークルを建前としているが、実際は性行為、またその相手を探すことを主目的とするサークルのこと。その中で持て囃される女性を「ヤリサーの姫」と呼ぶ。「ヤリ」は性行為、「サー」はサークルの略である。
そんな目的をおおっぴらに掲げることはできないので、表向きは旅行サークルや、イベント系サークル、テニスサークルだったりする。
多くの場合インカレ(複数の大学の学生が所属することができる)を掲げている大学側の非公認サークルであることも多いが、大学が管理する公認サークルであっても本来の活動そっちのけで性行為を目的とした飲み会、イベントが多いサークルも存在する。
美奈子が卒業してから被害者の女性が自殺したことで事件が発覚し、しばらくは報道されて騒がれたが、大学側が印象が悪くなると入学者が減ると判断し、裏で根回しをして、報道されなくなった。
同じ居酒屋でアルバイトしているフリーターの21歳の男性に告白され、美奈子は夢中になった。
同じ大学の男性よりも気楽につきあえる気がしたからである。
クリスマスは美奈子のアパートよりも古い建物で、もっと都内より離れた歳上の彼氏の部屋で初体験をした。
美奈子が卒業して就職が決まっても、その歳上の彼氏はフリーターをして暮らすと美奈子に言った。
美奈子はだらしがない人だと思えて、恋に浮かれていた気持ちが冷めた。それでも、初めてのセックスの相手だと思い入れがあり、別れられずにいた。
古賀衛が結婚している男性だとわかっていたが、ラブホテルに連れ込まれてからは、彼氏とは会わないように引っ越しまてして関係を絶った。
女性としての魅力に、まったく自信がない。自尊心が低い美奈子は、結婚しているけど大切な彼女だと言われ、体を求められているうちに、自分には古賀衛しかいないと思い込んでしまった。
大学生の頃に美奈子がサークル活動をしていたら、言い寄ってくる男性たちにちやほやされて「ヤリサーの姫」になっていただろう。
職場で上司の古賀衛は、美奈子にはもったいない恋人だと思えていた。歳上だが美奈子に金を貸して欲しいと頼んできて返しきれないまま、またお金を借りる前の彼氏よりもしっかりした人に思えた。
美奈子が金を言えば嫌われたくないと思い貸し続けて、慣れさせてしまった。前の彼氏の金銭感覚を麻痺させて、だらしなくダメにしたのが美奈子自身だったことにまったく気づいていない。

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