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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 774

樹海で力尽きて息耐えた「マサルさん」の心の中にも、酒呑童子として語り継がれている外道丸ほど荒々しくはないが、人妻の「まゆまゆ」と自分の抱えている病のことを秘密にして、避妊具なしでセックスし続けた時、禍々しいものがあった。疱瘡神、あるいは、疫病みの神につながる心があった。
それは「まゆまゆ」には「マサルさん」に対して一緒に死んでもいいと思えるような愛情が一切なかったことの裏返しでもあった。
もしも、原田珠理が完治することができない死に至る病にかかることがあれば、山口詠美は同じ病にかかること、苦悩でさえも、一緒に分かち合いたいとを望む。
「マサルさん」には、そんな愛情が世界にあることを信じることができなかった。

アマテラスやスサノオの子孫の物語は続いてゆくのだが、ツクヨミについてはヒルコほどではないにせよ、逸話がほとんど伝えられていない。
またツクヨミは、スサノオと同一であるとする説がある。保食神(うけもちのかみ)に関する逸話があるためである。
古事記ではスサノオに、日本書紀ではツクヨミに、どちらとも保食神がもてなすために豪華な料理を用意するが、吐いたり排泄したものを料理の材料にしているのをのぞき見してしまい、けがらわしいと保食神を殺し、その死体からは牛馬、蚕、穀物などが生まれたとされている。
この逸話はイザナギが火之迦具土神(ヒノカグツチ)を、イザナギを殺した子として怒りをぶつけて殺し、流れる血や遺体から多くの神が産まれた逸話や、黄泉で私の姿は今は見てはいけないとイザナミに禁じらたのに、イザナギが約束を破りつい見てしまうという逸話などを下地にして作られた雰囲気がある。
スサノオとツクヨミが同じ逸話があるのならば、同じ神だろうと考察する説がある。ツクヨミは月読という漢字が当てられ太陽神の女神のアマテラスと仲違いして、昼と夜を分かれて司るようになったという説明がされる。スサノオはアマテラスの天岩戸に引きこもる原因を作ったとして高天原から追放されたのちに、保食神を殺している。アマテラスの天岩戸の引きこもりは、闇夜や皆既日食と結びつけられる考察も多い。ツクヨミがスサノオと同一の神であるため、スサノオが高天原から追放されたのでツクヨミの逸話や子孫の逸話がないという。
動物の肉や魚の身を料理するために生き物を殺すことは必要。だが、残酷な行為とする考えかたがある。死の穢れを遠ざけること。スサノオやツクヨミが、もてなした受食神をけがわらしいと殺す逸話、アマテラスが受食神を殺した行為を嫌いツクヨミを仲違いして遠ざける逸話で折り合いをつけたともいえる。
ツクヨミの名のヨミに黄泉という漢字を当てはめてみれば、憑く黄泉となる。
日本書紀では月神(つきのかみ)、月弓尊(つくゆみのみこと)、月夜見尊・月読尊(つくよみのみこと)とも記されている。月夜霊(ツクヨミ)、月山神(ツキヤマノカミ)という漢字や呼び名もある。霊は神という意である。山の神とされているのは狩猟の神でもあったのだろう。ツクヨミは、女神と男神のどちらも伝えられている。
死や狂暴性を感じさせるものは、穢れとされていた。しかし、自然の中で生活していた古代の人々にとって、死や狩猟のための狂暴性は避けがたく身近なものだったのだろう。
スサノオは、須佐之男命と古事記では多く記されている。建は勇猛、速は迅速の意、スサは荒ぶ。この神の猛々しさを表した名を与えられている。スサノオは海原を統べる神となるよう、父神イザナギから任されたと伝えられている。
山や海では、稲作や耕作が普及するまでは、狩猟と漁が主な食物確保の手段として行われていたにちがいない。

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