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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 734

「聖戦シャングリ・ラ」の世界として想像された女神ラーナの維持している世界の危機は、再び大陸に女神ラーナの化身が転生してあらわれ、蛇神ナーガーの侵略が大規模な異変として始まるまでは、回避された。
檜垣隆史たちの生活する世界の危機は回避されていない。常に危機が続いているともいえる。
「聖戦シャングリ・ラ」の世界では同性愛者たちが、蛇神ナーガーの生殖と肉欲という影響を受け入れつつ抗うことで、蛇神のしもべとならずに蛇神の侵略を結果として妨害した。さらに聖騎士ミレイユや女騎士たち、レズビアンの祓魔師たちが、愛情の力を戦う力として蛇神ナーガーの淫獄への門を祓って影響の拡大を阻止した。それは女神ラーナと女神ノクティスの共闘であった。
檜垣隆史の世界では、神隠しと呼ばれ女児や若い女性が失踪する事件は、現在も続いている。

「穢れが祓われたり浄化されないと、異界の門が出現して、蛇神の贄として女性が生きたまま異界に連れ去られる」
「隆史さんは、神隠しがあると思っているんですか?」
日本の失踪者は年間8万人以上。
そのうち年齢が10代の失踪者は23・7%で、もし失踪者が8万人ぴったりでも、18960人。失踪者の約1/4が10代。

「この失踪者には家出している子や、金銭絡みのトラブルに巻き込まれた子もいる。ゲームの世界みたいに拉致される神隠しの子もいてもおかしくないと思う。人身売買で海外に商品として出荷されることはある」

神隠しの人数のなかには、徐麗華の一族の世界規模で行われている人身売買もふくまれているのは、信じる信じないの話ではなく事実である。

「神隠しがあったって、不思議じゃない」

失踪者のなかのひとりは、樹海の中にある檜垣隆史の別荘の洋館に住んでいる。愛人の美少女、中島玲香。
怪奇現象や心霊現象ではないが、隆史が元ヤクザの、今は徐麗華の運送会社の正社員の人たちに拉致させた。いろいろひっくるめて神隠しというなら、信じる信じないの話ではなく事実である。

「こわいです」
「このまま旅行に行って、3ヶ月ぐらい無断欠勤して、家賃も払われなければ、神隠しの失踪ってことになるかもな。俺が拉致監禁容疑で疑われて警察に追っかけられたり、咲さん発見なんてニュースになるとか、こわーい」

水野咲は思わず笑って、ぽってりした隆史のおなかのお肉をつまんでやりたくなった。

「そういう意味でこわいってことじゃなくて、ホラー映画みたいに怪物がいて食べられちゃうとか、すごい怨霊がいて呪い殺されちゃうとか」
「怪物って、咲、SF映画の宇宙船の中で、乗組員がひとりずつ襲われるみたいな感じのか?」
「そういうやつです。ちょっとちがうかもしれないけど」

隆史は都会の下水道に捨てられたアリゲーターが作業員を襲う映画みたいに、持ち込まれて環境が適合したら、危険な動物とかはいるかもと咲に言った。

「あと、殺虫剤をかけてもなかなか死なないゴキブリとかもいるらしいぞ。殺虫剤で死んだ仲間の死骸も、ゴキブリは餌で食べる。毒入りの死骸を食べて生き残ったやつが卵を生んで増えると、耐性がついていて、殺虫剤の毒が効かないゴキブリになる。もし怪物がどこかにいるとしたら、そういうふうにできあがるのかもしれないぞ」

隆史は自分の欲情の発作を抑制するために、性欲が失せるほど体調が悪くなる猛毒を服用。
死にかけたあと、さらに隆史は強い毒への耐性を身につけた、

(ふふん、怪物がいるとしたら俺が怪物だろうな。猛獣みたいに、人を襲って喰ったりしないけど)

もしも祓魔師の鏡真緒が、水野咲の神隠しの質問されたとしても「知らないほうがいいこともあります」と答え、実際にどんな怪奇現象がらみの失踪事件が起きているのか教えることはないだろう。
祓魔師の鏡真緒は、穢れがうまく浄化されていない状況を実感している。
シャブ漬けにされて弄ばれ、利用されたあと自殺した女性の兄が、復讐のために蛇殺しの外法という呪術で、自らの肉体と命を代償に、妹を弄んだヤクザを襲撃して虐殺する出来事があった。
鏡真緒は、外法に使用された型代とよばれる呪符を盗み出された高野山の依頼で追っていたのである。
穢れの浄化がうまく行われていれば、強い怨みを持つ術者であれ、外法がたやすく成功するはずもない。
もしも、水野咲が檜垣隆史に救助されずに、神社で凌辱されて死んでいれば、凶事と死で神社が穢されて、その周辺の浄化の力が弱まるところだった。
さらに同業者である祓魔師たちが近年、失踪しているのである。
檜垣隆史のみた夢の話を水野咲ではなく鏡真緒が聞いていれば、他の祓魔師たちの失踪の真相に気づくことができたはずである。

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