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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 726

すっかり日が暮れるまで二人で話してから、隆史が水野咲の脈を取ったり、目をのぞきこんでみたり、手足に違和感はないかなどを質問して確認した。

「吐き気や、めまいもないよな?」
「はい」
「脳震盪(のうしんとう)だと思っても油断はできない。脳の毛細血管が切れて出血していたら、脳を圧迫して、手足に麻痺が出たりもするからね。でも、様子をみる限りそれもないようだ」

脳震盪は癖がつきやすい。
脳震盪を繰り返すことで、軽い衝撃で頭痛やふらつきを感じるようになったり、認知症や怒りやすくなるなどの性格の変化が起きたり、ひどい場合は障害が残ったり、さらには頭蓋内の出血などが原因で死に至ることもある。
ドラッグのMDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン)を過剰摂取したり、常用してラリったあとに気絶が癖になったりすると、手の小指がうまく動かせなくなったなど、麻痺が後遺症で残った症例がある。
脳へのダメージは見た目にはわかりにくいが、ダメージの影響は、致命的な場合がある。

「隆史さん、お医者さんみたいですね」
「ああ、これでも俺は、檜垣家の当主だからな」


水野咲は自分以外の彼女の話を、隆史から聞きたいと思った。
隆史は椎名瑶子と会ったばかりの頃に、水野咲に聞かせたように、もっと自分のことを話せればよかったと思った。

ただし、その頃の隆史は、湯治場での荒療治の前で、発作を猛毒で抑制して、かなり無理をしていた。急死するかもと何度も思いながら、恋する瑶子との関係をあきらめきれず、すべてを打ち明けることに、ためらいもあった。

「きれい……これが媚薬ですか?」
隆史から、ガラスの透明な小瓶に入った媚薬を水野咲は受け取った。電灯の明かりに、媚薬の液体は小さなオーロラのように色を変えながら、ゆらめいて見える。
こく、こく、こく、と小さく喉を鳴らして水野咲は媚薬を飲んだ。
見た目はとろっとしていたが、飲んでみると、水のようにさらっとしていた。
どんな味がするかと隆史に聞かれ、スッと口の中がさっぱりとするチョコミントっぽい味がしたと水野咲は答えた。
「なるほど、咲はチョコミントが好きなんだね」
「はい、チョコミント味のアイスが好きです」
飲んだ女性が一番好きな味の記憶を、その味としてこの媚薬は認識させる。

味つきの回復ポーションは作ったが、味つき媚薬を作っていなかったので、隆史は新しい飲用媚薬には、相手の味の好みに合わせて、味が変化するように工夫を凝らしていた。
旧型の香水型媚薬が、快感の記憶を呼び覚ます効果があるのを応用して、快感の代わりに味覚の記憶を呼び覚ますように改良を加えたのである。
ガラスの広口試薬瓶に入れた50mLの媚薬を服用してもらうのに、おいしく飲んでもらえるようにした。

媚薬は服用させるなら微量で効果があって、無色透明、無味無臭、つまり他の飲み物に混入しやすく、女性を発情させ、感度を上げる効果が強力なものが良い。
そんな危険なデートレイプドラッグを、隆史は作るつもりはないようだ。

GHB(ガンマヒドロキシ酪酸)、通称〈G〉はデートレイプドラッグとして有名である。
1mlにつき約1ポンド(約140円)と非常に安価で取引される。少量で使用されるため、小瓶などに忍ばせて、クラブやフェス会場に持ち込みやすい。
薬が切れたあとの鬱症状なしに、アルコールとMDMAを同時に摂取したような効果を得られる。飲酒のあとのような二日酔いもない。
しかし〈G〉は、わずか1滴でも適量より多く摂取しただけで昏睡状態に陥る。そのため〈G〉の粘り気のある無色無臭の液体は、慎重に正確な量を計り、水に滴下して使用される。
もともと麻酔薬として60年代に開発された薬であり、中枢神経系の抑制効果がある。2012年でも、ナルコレプシーとアルコール依存症の治療薬としても使用されている。
少量で効果があるということは、過剰摂取のリスクが高いということである。

隆史の場合は〈神眼〉の催眠で感度を上げることも、金縛りにすることが簡単にできる。ドラッグで女性を昏睡させて抵抗できなくする必要がない。

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