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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 721

翌朝5時過ぎ、神社の神主の初老の男性が「なんじゃこりゃ?」と首をかしげてため息をついた頃、隆史は水野咲に回収ポーションの小瓶を手渡した。
「すごい。頭痛がすっかりおさまりました!」
隆史はそれを聞いてから、自分も回復ポーションを飲んで、にっこりと笑った。
(俺が飲んで見せなくても、先に信じて飲んでくれたのは、すごいと思うぞ)
「こぶも、今日中には治ってるはず。むちうちはもう平気だろう。眠気もないかもしれないが、念のため、今日ぐらいは激しい運動や飲酒はしないほうがいいだろう。あと、脳の毛細血管が損傷していて、まだ治癒されてないか弱いと困るから、今日の入浴はシャワーぐらいで我慢してくれ」
「わかりました!」
「俺はおなかが空いたから、これから牛丼屋に行くよ」
隆史はそう言って立ち上がった。
「そうですね。私も一緒に行っていいですか?」
「おなか空いたの?」
水野咲がうなずいて微笑した。
(おっ、やっと笑顔になったな)
「私、着替えますから、隆史さん、ちょっと外で、待っててくれますか?」
「わかった」
「いなくなったりしないで下さいね」
コンビニエンスストアーとは逆方向に、25分ほど歩くと駅前に出る。駅前に牛丼屋がある。
「お待たせしました」
黒のTシャツワンピースの上に、すけ感のあるシフォン素材のカーキ色のキャミワンピースを重ねて、髪はあえてポニーテールにせずに、セミロングのまま。ナチュラルメイクで、水野咲は部屋から出てきた。
「隆史さん、手をつないでもらっていいですか?」
「よろこんで」
隆史は、水野咲と手をつないで朝からゆったりと歩いた。
(昨日の夜にこわい目にあったのに、部屋に引きこもらずに出られたか)
隆史はちょっと不思議そうに、水野咲を見つめた。
「えっ、な、なにか変ですか?」
水野咲は自分の服装を見渡している。
「いや、かわいいと思うよ」
嫌な相手を恨んだり怒ったりしてつっかかるのではなく避けて、気弱なのかと思えば、泣いたあとは、そのまま部屋に引きこもらない、気の強さもある。
頼りになる相手と判断すれば、愚直に受け入れてみる。そんな、したたかさも持っている。
隆史と同じ牛丼大盛つゆだくを食べている。ショックで食欲がないと、泣かれるかと隆史は思っていた。
「ちょっと朝から食べ過ぎたかも」
「がっつり食べないと俺が心配すると思ったんだな」
「ふふっ、一人で食べるよりも、誰かと食べるほうが楽しいじゃないですか」
水野咲はそう言って、隆史とつないだ手をぎゅっと握ってくる。
隆史は水野咲に興味を持った。
「それはですね、よく言えば臨機応変、ベストのできることをやってみるって感じですけど。悪く言えば、その場しのぎで、自分で完結できないってことです」
水野咲は一生懸命、隆史と一緒に考えてみた。
(この人と話すことは、会社で働く一日分より絶対になにかある!)
水野咲は社会人になって、初めてずる休みをすることにした。前日の夜に、レイプされかけて、しんどいので一日休みますと言えないし、言う気もない。
「隆史さんは、真夜中に人が来ない場所で、女性が犯されかけているのに気がついて、どうして助けようとしたの?」
「助けたかったから……かな?」
「事件に巻き込まれたりするのは、嫌だなってことや、見返りがあるとか期待したってことはなかったんですか?」
「人を助けるのに、理由を考えたことなんてなかったなぁ。う〜ん」
「痴漢が、レイプした女性も、目撃者も殺せばいいって考える相手だとは、隆史さんは想像しなかったんですか?」
「見つかった痴漢が逃げるために、女性をナイフとかで刺して、おとりにして逃げる可能性は考えた。そうだったら、女性を助けることを優先する。痴漢をやっつけるより、救助を優先するね」
「自分が殺されるかもって、こわくなかったんですか?」
「見て見ぬふりをして、もし美人が死んだらもったいないよ。それに、そんなことになったら後悔しそうだから」
「痴漢じゃなくて、真夜中の神社の境内で、カップルが野外プレイしているかもしれない、とは考えなかったですか?」
「その時は、じゃましてすいませんでしたって謝ればいいし、じゃまして許さないと言われたら、まぎらわしいことするなって怒ってもいいわけだから」

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