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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 720

早朝、神社には空気の抜けたタイヤの自転車と、氷が溶けたびしょびしょのビニール袋、入口前に溶けたアイスやサンドイッチやへこんだ缶チューハイなどが散らばっていて、神主がため息をついた。
先日、野外で酒を飲む人が増えたというニュースをテレビで見ていたので、うちもやられたか、と思っただけだった。
自転車は、神主の知り合いの廃品回収業者に、回収してもらうことになった。
神主は、ここでレイプされかけた女性がいたとはまったく想像せず、賽銭泥棒が来たんじゃないかと、賽銭箱に破損はないか確認しただけだった。
水野咲が騒ぎが大きくなるのが、恥ずかしいので「救急車は呼ばないで」と、消え入るような小声で隆史に頼んだ。
「ありがとうございました……あっ!」
「だから、無理するな。また頭を打ったら大変じゃないか」
まだ足元がおぼつかず、また、痴漢に襲われないか怯える水野咲を、隆史はアパートの部屋まで、おんぶして運んでやった。
水野咲はレイプされかかったが、救急車も呼ばず、警察に通報もしなかったので大きな騒ぎにはならなかった。
水野咲は、会社には、風邪ということで連絡して休みをもらった。
水野咲の暮らすアパートは神社の裏手側の道路を挟んで、はす向かいにあった。神社から水野咲のアパートの部屋まで、隆史は咲の体を揺らさないように、慎重に運んだ。アパートの2階だったので、階段を上る時は、かなり気を使った。
即席の氷枕を使わせて安静にさせている間も、おんぶして運んでいる間も、水野咲は気絶したり、嘔吐しなかった。
レイプされかけたショックからなのか、脳震盪のせいなのかはわからないが、ぼーっとしているような印象を、隆史は受けた。
「ここで合ってる?」
「……あっ……ここです」
まだ打った後頭部がずきずき痛む。
「どうぞ……上がって下さい」
「そうだな、脳震盪は最低4時間の間に意識不明や、急激な眠気を感じて眠り込んでしまったり、激しく嘔吐を繰り返したりするようなら、脳挫傷の可能性もある。目の焦点が長く合わずに、物がぶれて見え続けたり、耳鳴りが続いたりするのも、あやしい。そうなったら、救急車を呼ぶけどいいな?」
「……はい」
「俺は檜垣隆史だ。名前もしらない奴を部屋に上がらせるのは、嫌だろう?」
水野咲は、顔を横に振った。
そして、眉をしかめた。泣きそうな表情になっている。
「ああ、頭を振らないで。はい、か、いいえ、で答えてくれ。いいね?」
「……はい」
1DKで玄関から短い廊下で左手にトイレと浴室、右手にキッチン。扉の奥に8畳のフローリングの部屋がある。
隆史を外で少し待たせ、下着から全部着替えてから、上がってもらった。
スモーキーブルーのキャミソールとショートパンツ。普段の部屋着を急いで着てしまったのは、水野咲は動揺してないように見えるが、かなり動揺していた。
「ベッドで仰向けに寝そべって、あまり気を使わないで休んで」
「………すいません」
目を閉じて寝そべると、撮影されながら胸を揉まれた感触を思い出してしまう。
「道路に落ちてたから拾ってきた」
隆史がテーブルに水野咲のスマートフォンとワイヤレスイヤホンを置いた。
「痴漢のスマホから、持ち主を探せると思うけど」
「ん……会いたくない……です……うぅっ……」
水野咲の目から、涙がまたあふれてきた。
「……悪かった。これも置いておくから、元気になったら好きなようにしてくれ」
「……こわかった……すごいこわかった」
「だろうな」
隆史はそれだけ言って黙っていた。

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