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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 689

高坂貞人は監視用のプログラム、それも巧妙に途中のどこかのサーバーでコピーされたものが、自分のところで閲覧できているものだと気がついた。
徐麗花がどんな情報が通過しているのか収集していたプログラムの痕跡を、貞人は見つけた。
他にも何か仕掛けられてはいないか、必死に調べてみたがわからなかった。
檜垣隆史はプログラムに介入したのではなく、取引先の銀行に話をつけて、ガズキの香港の口座との取引を中止させた。
〈ミヤハラキヨシ〉の口座を、隆史に凍結される前に、高坂貞人は解約した。
「宮原さん、いえ、カズキさんと呼んだほうがいいですか……私は、水野真(ミズノマコト)といいます」
(くっ、俺があせったばっかりに……俺を置いてきぼりにするなんて)
高坂貞人は、カズキを巻き込まないように姿をくらます気だったのだと、今になってわかった。
「なあ、カズキ、昔みたいに俺と一緒に住まないか?」
あの言葉はどんな気持ちで貞人は言ったのだろうと、胸が苦しくなった。
10日間だけだったが、貞人と一緒に暮らしていて、カズキはただ幸せだった。
「閲覧している情報がどこかでコピーされたものだと、高坂さんは気がついたそうです」
水野真の言葉が届いているが、頭に入ってこない。カズキを巻き込まないように貞人が姿を消す。出張先から日本に戻る気はない。
「……御主人様」
カズキの頬に涙が伝う。

1ヶ月後。
カズキの車は、宮原清名義で中古車の販売業者に売られていた。
住所の記載は高坂貞人の家の住所で、記載された電話番号にかけても、通じなくなっていた。
高坂貞人とバイヤーのカズキの足取りは完全に、途絶えてしまった。
高坂貞人は香港の空港から、姿を消してそれっきり消息不明である。
社内情報を暗号化して送信するシステムは、機能しないようにプログラムが書き換えられており、高坂貞人が管理人のサイトも、閉鎖されていた。
隆史も気になり、公安警察に問い合わせでみた。武器商人ザハールにも、本条恵美が追跡調査した内容が送られた。ザハールからはその後、要求らしいものはなかった。
本条恵美も、上層部から追跡調査は依頼されたが、バイヤーのカズキが見つからなかったので、接触の話はなかったことにされた。
「生きてるのか、死んでしまったのか、まったくわからない」
隆史から話を聞かされた、松澤梓は深いため息をついた。


達也には、パパはいなくなった。
その代わりに二人のママができた。
「隆史さん、家族って、いろいろなかたちがあってもいいよね」
隆史に、谷崎麗が言った。
達也と隆史、松澤梓と高坂美和、そして谷崎麗の5人で水族館に来ていた。
「過去が未来を作るんじゃなくて、未来が過去を作るって感じだな」
隆史がソフトクリームを片手に、妙なことを言い出したので、谷崎麗がどういう意味か、隆史からソフトクリームを受け取り、食べながら話を聞いた。
「過去の事実は変わらないけど、未来の結果しだいで、あの時は大変だった、とか、受け取りかたは変わるよな。あっ、全部食べないで、俺にも残しとけ」
「ええっ、隆史さん、もうひとつ買って来なよ」
倉持志織によると、高坂美和は、子供の美和と大人の美和のちょうどあいだの、高校生ぐらいの美和という人格になったらしい。
この先、どうなっていくかは予想はできないが、松澤梓と美和はとても仲良くなったのは間違いなかった。
谷崎麗は、ひとつのソフトクリームを二人で分け合って食べたことがない。
「ここのソフトクリームはうまい感じかするんだよな。海で食べるのもうまいけど」
隆史が舐めたあと、谷崎麗にひょいと返され、麗がどきどきしながら、ちょっとぺろっと舐めた。
谷崎麗は、人前でいちゃいちゃしたことがない。隆史は、麗が恥ずかしがっているのを楽しんでいる。
「麗、いくぞ」
手を握られて、照れまくりながら隆史に連れまわされている。

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