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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 686

ルカは、武器商人ザハールの後継者になる気はなく、バイヤーのガズキとして、愛する御主人様の高坂貞人と楽しく暮らせれば、あとのことはどうでもいいと考えている。
ルカが武器商人ザハールの後継者となれば、高坂貞人との同性婚が可能な国への移住を許可すると、ザハールが譲歩する可能性はかなり低い。
2001年4月1日にオランダが世界で初めて法制化して以降、2022年7月1日に婚姻平等法施行予定のスイスも含めると、31ヶ国で同性結婚が法制化されている。
武器商人ザハールに、高坂貞人の存在と関係を知られるわけにはいかない。嫉妬したザハールは、高坂貞人を抹殺しようとする可能性の方が、かなり高い。
ヴォルコフ家の監視から逃れて生きられる国へ、高坂貞人と逃避行したい。
ロシアのプーチン大統領の決断で、ロシア軍がウクライナに侵攻していて、武器商人ザハールは、多忙をきわめている。
これは千載一遇のチャンスだと、ルカにはわかっている。だから、危険を覚悟して、横領システムで金を香港の口座に集めた。だが、これは徐麗花に犯行手口を知られることになった。
ヒマラヤンのレオの毛から始まった浮気調査から、本条恵美がバイヤーのガズキの逮捕のために動いた結果、ルカが日本に現在潜伏中という情報を、ザハールにつながりがある日本の上層部がつかんだ。
これにもまだ、ルカは気づいていない。
アルベール・レノは、ゲイ仲間として、
「ルカには、日本に男性の恋人がいる」
ということを、フランスのドラッグ密売組織には報告していなかった。
武器商人ザハールは好色家であると広く知られているが、ゲイであることは隠していたので、フランスのドラッグ密売組織としても、ルカがゲイになって日本の青年と同棲しているとザハールに報告すれば、トラブルの原因になると、アルベール・レノが報告していたとしても、ザハールに情報を隠蔽しただろう。
(上層部は、本条恵美にバイヤーのガズキの内偵を依頼してくるだろう)
と、小峰勝は話を聞いていて予想した。
日本の上層部は本条恵美が、すでに民間人で、捜査官ではないことを利用してくる。ロシアの情勢はまだ先読みが難しいことがある。ロシアの形勢が世界的に不利となった時、わが国の上層部は関与していないとロシアとの関係を隠すには、公務員の捜査官に御曹司との接触を命じた記録は残しておきたくない。
兵器をアメリカやNATOの西側諸国から買わずに、ロシアの武器商人から核兵器をもらったことを、ハニートラップで御曹司に口止めさせるのには、優秀な女性の人材でなければ、任務を遂行できない。失敗すれば、ロシアのウクライナ侵攻で、表向きは協力しあっている雰囲気を醸し出しているアメリカや西側諸国から、嫌がらせをされるだろう。
多額の援助金を要求されたり、軍を派遣できないのを知っているのに、救護や物資搬送など危険な任務を自衛隊に頼んできたり……。
本条恵美が憂鬱になり、隆史にめずらしく愚痴をこぼしたのは、恵美自身も依頼が来そうな予感がしていたからだった。
檜垣隆史と出会う前であれば、夫を殺された未亡人として、捜査官を辞めて、武器商人の家の御曹司に接触し、ドラッグディーラー組織の情報を聞き出させ、公安経由で、違法薬物を取り締まる世界の組織に情報をリークする民間人のスパイになることを志願したはず、と恵美は自分でも思う。
本条恵美は、変わってしまった。
薬物を扱う犯罪組織に対する憎しみや夫を殺された悲しみは変わっていない。
しかし、隆史以外の男性に抱かれることが、嫌でたまらなくなってしまったのである。

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