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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 678

多重人格の人格交代。
麗花は虐待を耐え抜くことができたが、殺されかけていたら、自分も高坂美和のようになっていたかもしれないと、同情してしまった。
また、大人になっても、今度はルカに性的虐待を受けたと聞いて、もしも、ルカや高坂貞人から逃れて、産んだ男の子を一人で誰にも頼らず育てようとしていたら、徐家の大旦那から幼い麗花を連れて逃げ、体を壊すまで働き抜いて死んだ母親のようになるのではないかと、つい想像してしまった。
松澤梓という女性もいて、ルカと高坂貞人に利用されかかっていたが、達也を守りたがっていたので保護したことも、隆史から聞いた。
「この人も子供の頃に酷い虐待を受けているんだ」
とだけ話して隆史は〈神眼〉で、松澤梓の過去の体験を話さずに、徐麗花の脳内へ情報を伝えた。
普通のセックスを、過去の記憶がこわさを呼び起こしてしまうため、松澤梓はできないということや、それにつけこんだ高坂貞人は、松澤梓と再婚の約束までして、実際は裏切られかけていたのまで、隆史は把握していた。
これも徐麗花に伝わった。
徐麗花は胸が痛くてたまらなかった。
「麗花、高坂貞人とルカを日本の警察とマトリに捕まえさせて、達也から引き離すつもりだったんだけど、失敗したところなんだよ」
「殺したほうが、すっきりするわ」
徐麗花の美しい紅い瞳とその発言に、清水真奈美はゾクッと寒気を感じた。

ルカ・カズキエヴィチ・ヴォルコフ。
画家志望だった日本人青年と武器商人の一族の令嬢との間に生まれたロシア人ハーフ。
このことを、ルカは御主人様の高坂貞人にも、教えていない。
ルカは、母親エレーナの夢を見て、うなされて運転席で目を覚ました。
ルカの祖父、ザハール・ボリソヴィチ・ヴォルコフは、出産間近のエレーナをロシアに連れ帰った。そして、エレーナが出産すると、ルカをエレーナから奪い、孤児を養護するフランスの山奥の教会へ出してしまった。
カズキか5歳になった頃、施設に一枚の絵が届けられた。
それは美しい全裸の女性が微笑を浮かべて、森の中の泉の中で立っている人物画だった。
これらザハールが愛娘を奪われたことに対しての、復讐のひとつなのだった。
ルカは両親がいないさみしさを、この美しい絵をながめることや、毎日聖書を読んで祈ることで、癒すようにして成長していった。
ルカは13歳になった時、ヴォルコフ家から、迎えがやって来た。
フランスからスイスの村までは遠く離れていたが、教会から出るときに、シスターが贈ってくれた言葉を飛行機の中でも目を閉じて思い出していた。

主がすべての災いを遠ざけて
あなたを見守り
あなたの魂を見守ってくださるように。
あなたの出で立つのも帰るのも
主が見守ってくださるように。
今も、そして永遠に。

迎えに来た無口な中年男は、荷馬車に乗った農夫に金を渡し、お屋敷までこの子を連れてゆくようにと言って、ルカを村の入口で置いて去ってしまった。
包まれた絵を抱えたルカは、荷台に乗せてもらい、村はずれにある立派な屋敷までやって来た。
その館には、エレーナという未亡人の貴婦人と、6人の若い侍女と14歳の双子の若い侍女見習い、9人の女性たちが暮らしていた。
ルカはエレーナと初めて会った時に、幼い頃から見てきた絵の女性とよく似ていたので、とても驚いた。
エレーナはルカの姿を見て「カズキ」と呼んで泣きながら抱きしめてきた。

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