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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 671

斎藤吾朗は気を使い、達也に口角を上げ歯を見せずに笑って見せたが、余計にこわがられてしまった。
達也はレオを抱えて、給湯室の腐女子コンビのところに逃げ込んでしまった。
「達也が檜垣家の後継者?」
「虐待を受けている子供を檜垣さんが保護して、後見人になったと」
「保護した子供は、斎藤さんがこわがらせた達也だよ。達也が檜垣家の後継者だったら、斎藤さんはこわがらせたから、懲戒免職にされるんじゃないか?」
「ふふ、それは困りましたね」
ざっくりとだが、隆史から、達也を保護することになった経緯を聞いた斎藤吾朗は、達也の里親がはっきりするまでの一時的な後見人だと把握した。
「では、私は帰ります」
「恵美に依頼に来たんじゃないのか?」
「あなたが後継者を幼児にしたという噂の事実確認を、本条さんに頼みに来たのです。あなたに直接会って話が聞けたので、このあと上司に報告して任務完了です」
「児童虐待は達也だけの話じゃない。俺の噂を調べる暇があったら、政治家だったら、何か対策を考えろって俺が怒ってたって報告しておいてくれ」
「御意」
給湯室から三人と一匹が顔を覗かせて、ソファーに腰を下ろしている隆史に、斎藤吾朗が立って深々と頭を下げているのを。じーっと見ていた。
頭を上げた斎藤吾朗が視線を感じて振り返った時には、レオだけが隠れずに歩いてくるところだった。
レオは隆史の膝の上に、ひょいと跳び乗ると、斎藤吾朗に「にゃう」と鳴いた。
斎藤吾朗が帰って行くと、達也と腐女子コンビが戻ってきた。
隆史がレオの背中を撫でている。
「隆史さん、イタリアのギャング映画に出てくるボスみたいだったよ」
と本条恵美に報告した。
達也からGPSの発信器を外してやり、本条恵美は机の引き出しの中にポイッと収めた。
発信器は頑丈な物だが、物を雑に扱うのは恵美らしくない。
「どうした恵美?」
隆史は、三人と一匹に「また変わった客が来たら、恵美の部屋にいるから、内線で知らせてくれ」と言うと、恵美の手首をつかんで事務所を出て行っていった。
「たしかに本条さん、いつもとは何か様子がちがってたね」
谷崎麗がソファーに座って、清水真奈美に言った。
この日は、探偵事務所に公安警察の潜入捜査官の斎藤吾朗以外にも、あと2人ほどめずらしい客が訪問した。
小峰勝も黒色のスーツ姿だったが、首も、胸板も、腕も、逞しく威圧感があった。
レオが警戒して、給湯室に隠れている。ペットの猫とはいえ、野生の直感は健在である。
「久しぶりね、二人とも、お仕事には慣れたかしら?」
小峰勝は刑事の頃は、狂犬と呼ばれた猛者だが、その勝を現在ボディーガードとして連れ歩いているのは、中国の人身売買組織〈慶龍〉の女首領、美しい宝石のごとき真紅の〈鬼眼〉、他の犯罪組織の間では〈悪魔のWolf Eyes〉と呼ばれる瞳を持つ華奢で小顔のネコ顔の美女、除麗花であった。
隆史の好みに合わせて、特注のゴシックロリータ風メイド服を除麗花はまとっている。
谷崎麗はともかく、清水真奈美は青ざめるほど緊張しながら、除麗花に頭を下げて「おかげさまで、なんとか、助手として働かせていただいていただいております」と挨拶を交わしていた。
達也が除麗花に見とれて、ぼーっとなっていた。
「こんばんは、坊や。お名前は?」
「たかさかたつやです。5歳です」
達也は、幼稚園で自己紹介で名前を聞かれたら年齢もセットで答えるように、教えられている。
「初めまして、除麗花(チュ・リーファ)です」
「リーファ!」
麗花は、にっこりと笑うと達也のさらさらとした髪を撫でた。

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