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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 657

「大丈夫ですか?」
「……ええ、ありがとうございます」
吐瀉物を流し、本条恵美につきそわれながら、キッチンまで行って、水をゆっくり飲んだ。
隆史の前に戻って話の続きを聞いた。
その施設にいる間は生活費はかからないし、この賃貸マンションにいつ戻ってもいいように檜垣隆史が、資金援助してくれるらしい。
「俺はこう見えてむだに金持ちだから、心配いらなーい」
「隆史さん、牛丼屋さんで使えなかったカード、ちょっと出してくれますか?」
本条恵美に言われて「なんで?」と言いながら隆史がテーブルの上にカードを置いた。チタン製のカード。
「これはアメリカンエキスプレスのセンチュリオン・カードです。利用限度額が無制限のカードです。隣に置かれた札束よりも高い金額の買い物ができます」
「聞いたことはありましたけど、実物は初めて見ました」
「とりあえずお金持ちな人なのは、わかってもらえたと思います」
「梓さん、でも、そのカードって、牛丼屋で使えなかったんだよ」
「……こういう人なので、この人がお金を出すと言ったら、必ず出してくれます」
松澤梓は、隆史にカードを返した。
「梓さん、恵美、この札束は達也に持たせておくのはどうかな?」
「隆史さん、どういうことですか?」
「この札束は、カズキが梓さんをはめて利用するために、見せかけで置いて行った金だろう。使い道としてはよくないよね。このお金で、達也のランドセルを買ったり、学校の制服を買ったりしたほうがいいと思わない?」
松澤梓と本条恵美が顔を見合せた。
「梓さんが、これは全部、私のお金よ、渡さないわって言うなら、お金は置いて達也だけ連れて行く。もう、大人の都合にふりまわされないようにしてやる!」
「隆史さん、達也くんを、隆史さんの学園に入学させるつもりなんですね」
「小学生のうちから寮生活は気を使うかもしれないけど、今よりかはましだと思うぞ」
本条恵美と隆史がなごやかに、達也がランドセルを背負って歩いているのを思い浮かべているのと同じように、松澤梓も達也のことを思い浮かべていた。
「本条さん、この部屋を引き払ったほうがいいですか?」
「いえ、しばらく冷蔵庫の中のものだけ処分して、管理会社に半年ほど旅行に出かけると連絡したらいいと思います。この部屋には、梓さんが避難する保護施設の情報は何もありません。今のところ、盗聴機などもないようなので、戻って来て暮らし始めるときに、また調べれば大丈夫だと思います」
「達也と梓さんが暮らすならここじゃなくて、学園のそばがいいと思うけどな。そのほうが気分がすっきりしそう」
「ここに半年したら戻ってくると見せかけて、引き払ったほうが時間稼ぎにはなりますから」
松澤梓は、倉持志織に過去の地獄のような日々を、達也と暮らしたいという思いを支えにして、何度も吐きながらも語ることができた。

高坂貞人から、妻、愛人、息子を、カズキからは現金600万円を、隆史は隠してしまった。
「愛人に息子をあずけたら、愛人と息子がお金を持ち逃げして逃げました、で、家に帰ってみたら妻もいませんでしたって……すごいね」
カズキは高坂貞人から連絡を受けて、貞人を乗せて車を運転しながら、話を聞いていた。
「600万円は、松澤梓が持ち逃げして、部屋にはなかった」
「だろうね、俺が逃げるとしたら持って行くと思うよ」
カズキはそう言ってから、我慢しきれずに「はははははっ!」と爆笑した。
「ところが、松澤梓の預金通帳やカードと財布は置きっぱなしだ。でも、スマホは持って行ったらしい。松澤梓のスマホには俺の電話番号や履歴が残ってる」
「バカ嫁のほうは?」
「こっちは、財布とスマホをちゃんと持って行ってる」
「ガキの捜索願を出してみようか。誘拐の疑いもあるからって言えば、警察が張り切って探してくれるんじゃない?」

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