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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 656

松澤梓は母親から虐待を受け、さらに父親からは性的虐待を受けた。それを耐えることでかばい続けた。
その結果、母親は自殺し、父親は薬物に手を出して身を持ち崩した。
(私はまた、同じ過ちを繰り返そうとしているのかもしれない)
「梓さん、達也には母親が必要だと思うけど、今、もう達也には母親になれる人はいないんだ」
檜垣隆史は、泣いて歩いていた達也を梓のところまで連れて来てくれた親切な人だった。
「それはどういう意味ですか?」
達也のママ、高坂美和は現在療養中であること。7歳ぐらいの年齢の自意識に戻っていて、結婚していたことや出産したこともわかっていない。達也のことだけは「おとうと」だと思っていることを梓は聞かされた。
「なぜ、そんなことに?」
美和が子供の時に、当時中学生だった高坂貞人に性的虐待を受けて、首を締められ殺されかけたことがある。
その時に本当の自意識は隠れ、その後は仮の自意識を操っていた。
フラッシュバック。過去の記憶が戻ってしまった。日常生活をおくっている時に他人からわかる主人格が、虐待された頃のままの自意識になってしまった。人格交代が起きた。
「フラッシュバック……ですか」
松澤梓も過去の記憶が鮮明によみがえってきて、苦しんだ経験がある。
運送会社の事務員の頃につきあった男性がいた。だが、松澤梓がうまくセックスできないとわかると、離れていった。
「梓さんを、自分たちのやっていることの後始末に使う気になったら、体内からしっかり薬物反応が出る状態にして、ドラッグの現物を少量と、札束一つをセットにして置いていくだろう。あとは売人がいると警察に通報すれば、状況証拠は完璧だ。あと、自殺に見せかけて殺害される可能性だってある」
「今のままだと、そうなるということですか?」
「次の身代わりが確保できたら、そうするだろう。高坂貞人とカズキが、違法薬物の所持で捕まるようなことになりそうだと判断したら、密売ルートを一つだけ身代わりに押しつけて、さっさと逃げ出すだろう。達也は孤児として、施設に置き去りにされるだろうな」
松澤梓は隆史の話が、でたらめな作り話ではないと感じて、鳥肌が立った。
「だから、今の達也には母親がいない」
「どうしたら、私と達也くんは助かりますか?」
「ひとつ提案がある。美和のカウンセリングをした人が、梓さんに会ってカウンセリングさせて欲しいと言っている。美和は今、その人の施設にDV被害を受けた被害者だから避難している。梓さんもそこに避難して欲しい」
「DV?」
「カズキが美和にドラッグを使って、言いなりになるように調教してた。それを高坂貞人は見て見ぬふりをしてた。それで精神のバランスが崩れ始めてた。子供の頃の美和は、図書館の多目的トイレで中学生の高坂貞人に、性的虐待を受けていたんだ。それを大人の美和は忘れていたけど、中の隠れてた子供の美和は覚えていて、図書館に行きたがった達也を、大人の美和に叩かせた。図書館に達也を行かせたら、自分と同じ目に合うと思ったらしい」
自分が父親に犯されていても、見て見ぬふりをした母親のことを思い出してしまった松澤梓が、耐えきれなくなり、トイレにかけこみ吐いた。
えずきがおさまるまで、本条恵美が背中をさすってくれた。

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