PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 652
 654
の最後へ

媚薬の罠 654

谷崎麗が本条恵美に〈神眼〉で「秘密探偵ノットガイル」(監督・脚本/谷崎麗、演出・映像・音響/高坂達也)を脳に情報を送り込んだ。
「本条さん、目をつぶって、再生って思えば始まるから。巻き返しや早送りもできるからね〜。ところで、なんで隆史さんがやらないの?」
「俺はさっきから高坂美和と達也の持っているカズキのイメージがどっちもズレがあって、一致しないことに驚いてる。美和は嫌な目にあったから再現を拒んでいるし、達也のイメージはドラキュラ伯爵っぽい。こっちはあてにならない。こっちは一応、清水さんが撮影した、帽子を深くかぶってちょっと鮮明じゃない画像があるけど。松澤梓さんの記憶なら、鉄板なのかな、心配になってきた」
「どういうこと?」
「カズキは変装が得意なのかもな」
「あの、私、撮影したものって覚えてるほうだと思いますけど、脳には思い出せないけど記憶として残ってたりするって聞いたことがあります。麗さんのその特撮アクションヒーローものを、私が脳内再生したら達也くん演出とのちがいで、バイヤーのカズキの情報、少しだけ絞れないですかぁ?」
「じゃあ、カズキの登場シーンは気合いを入れて思い出すように。あと、あとからじわじわ笑いがこみ上げてくる傑作だから、あとで文句は言わないように。いいね?」
「はい、お願いします!」
隆史が清水真奈美のおでこに自分のおでこをつけて〈神眼〉で、脳に情報を送り込む。
「よし完了」
清水真奈美が、キスできそうなぐらい隆史が顔を近づけたので、恥ずかしくなって顔を赤らめて少しもじもじしていた。
「隆史さん、おでことおでこをつけると何かちがいはあるの?」
「手をつないだりしてもいい。別の感覚があるから強く伝わりすぎない。キスするときと同じかも。キスに集中しすぎて勢いあまって歯をぶつけたりしないようにする感じかなぁ?」
「わかるような、わからないような」
本条恵美がクスッと笑って言った。
「手をつないだほうが、親密な感じがしませんか?」
「うーん、俺のたとえが悪かったかな。麗、ごめんな。〈神眼〉を催眠術って考えると、他の雑念が入らないほうがかかりやすいけど、さわられたら緊張する人にはおでこをくっつけないほうがいい。子供とかリラックスしてたり、びっくりして頭の中が真っ白なほうがかけやすいから、さわられて安心するさみしがり屋の子には、手を握ってやるほうがいい」
「うん、それならわかるよ」
谷崎麗がにっこり笑って言った。
達也は誰かにさわられてるほうが安心するタイプな気がしたからだ。
「え〜っ、私、子供っぽいですかぁ?」
と清水真奈美が隆史に言った。
「ただ、じーって見つめられるぼうが視線を意識しちゃうかなって。初音によれば、カメラマンは自分がカメラを向ける分だけ、自分に対しての視線に敏感になりがちとか聞いたからさ」
谷崎初音は、谷崎麗の異母姉妹の姉である。初音は写真撮影が趣味で、清水真奈美と檜垣家の湯治場で会っている。
「そうですね。視線って不思議で、背中とか見つめられてるのが、振り向かなくてもわかったりします」
「それはすごいね。野生動物っぽい」
隆史がにっこり笑って言った。
「隆史さん、私も目をつぶって再生って思えばOKですか?」
「うん、楽しんで」
「はーい。わっ、すごい映画みたい!」
清水真奈美がうれしそうに言った。
隆史は谷崎麗に耳に手をあて、こそっと
「子供みたいな笑顔だよな」
と、清水真奈美には聞こえないように言った。谷崎麗が、うんうんとうなずく。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す