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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 647


松澤梓は、手元にあずけられている600万円の現金をテーブルの上に出して、ながめていた。
達也は梓のベッドでよく眠っている。
今夜、貞人が達也を迎えに来られないと連絡があったのは、10分ほど前のことである。
貞人に達也が一人で家出してきて、梓の暮らす部屋まで来たので、あずかっていると話してある。
達也の母親が達也を探して、警察に捜索願を出せば騒ぎになると思い、貞人に連絡を入れた。
達也の母親の元に達也を連れて行くのが普通なのかもしれないが、松澤梓にはそうできなかった。
達也の父親の貞人と不倫関係にあることも、かなり達也の母親と顔を合わせたくない理由であるのは間違いない。
愛人という立場が相手の妻に対して、これほど気まずいものだとは、不倫してみるまでは知らなかった。
もうひとつ、達也から母親にぶたれたと聞いて、直接会って達也になぜ手を上げたのか、しっかり話を聞いて、叩くのは止めて下さいと達也に代わって言うべきなのに、言う勇気が出せなかった。
達也が家出をしたのは、叩いた大人の母親に、向き合うことができなかったからだろう。
それでも達也は、家出という行動で自分が嫌だったことを、どうにかして母親に伝えようとしているだけ、勇気がある子供だと梓は思う。
梓の母親、松澤晶子が変わってしまったのはいつからだろう。梓の左足の甲には煙草を押しつけられた火傷の痕が小さくひとつ残っている。
だが、この小さく醜い傷痕は梓にとってまさに罪の烙印なのだった。
このことは貞人にも話していない。ただ貞人がこの傷痕を舐めて「痛かっただろう」と同情してくれる時だけは、罪を忘れて貞人に甘えたくなる。
母親の晶子に刃物を突きつけられたことは何度もあった。風呂の湯に無理やり頭を沈められたこともあった。
高校二年生の夏休みの朝に、晶子が掃除機のコードで首をくくるまで、地獄は続いた。高校卒業後、梓は故郷から離れて社員寮のある会社に、事務員として就職した。
母親が死んで、梓から刃物を投げつけられた父親がじわじわと腐敗するように、覚醒剤使用で逮捕されたことを知らされたが、故郷を出てからは一度だけしか会っていない。
風俗店の〈バタフライ〉を辞めたのは、給料の未払いの件だけではなかった。
薄暗くなった店内で客の勃起したぺニスをおしぼりでよく拭いて、薄い味つきのコンドームをかぶせてしゃぶった。
「気持ちいいですか?」
しゃぶっているだけでは、サービスタイム内に射精できない客は多い。手でしこしこと扱きているとき、小声で客に囁いて耳を舐めてやったりする。
「梓、気持ちいい」
客がコンドームの中に精液を放つ瞬間にたしかにそう言った。
自分が思っていた父親とはちがい、老けこんで歯も何本も抜けてしまてしまっていたので、気のせいだと思って接客していた。だが、お店で使っている薫という名前ではなく、梓と本名で呼ばれ、体中に鳥肌が立った。

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