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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 641

高坂正彦、高坂泰子の夫妻は〈天満教〉に改宗してきた信者であった。
子供の頃の美和と高坂貞人が暮らしていた鳴海市にはその当時は〈天満教〉ではない、いくつかの宗教団体が活動していた。それらはのちに北川天の〈天満教〉に吸収合併されていった。
高坂貞人の両親である高坂夫妻が、その吸収合併される前の宗教団体のいざこざに巻き込まれた可能性もあると、倉持志織は隆史に話した。
高坂貞人の通っていた中学校も、鳴海市内にあった14校から10校に合併して減らすために廃校になっていた。自殺騒ぎがあった中学校を残されなかったのは、当時の鳴海市の市長が自治体からの要請もあり決めたのだった。
「自殺騒ぎのあったクラスに高坂貞人はいたのかな?」
「自殺した子のクラスの担任だった教師は、廃校したあと合併した中学校にはいなかったので、教師を辞めさせられたのだと思います」
「当時の担任教師から話は聞き出せそうにないか。清水さん、週刊誌の記者はクラス名簿とか手に入れてなかったのかな?」
「自殺した子の親が鳴海市から姿を消してしまったし、翌年に廃校になったそうで当時の資料は、もう廃棄されて残っていないそうです」
清水真奈美が、自殺騒ぎについて取材していた記者から聞き出した情報を隆史に伝えた。
両親が焼死したその後の、貞人が鳴海市からどこへ行ったのか〈天満教〉の信者のデータベースからはわからない。
美和の話によれば、貞人は私立大学を卒業して、丸鷹商事に入社したということらしい。どこかの中学校へ転校して、高校へ進学して私立大学に通っているということは、保護施設で養護されたとしても短期間で、新しい保護者に養子として引き取られたのだろう。名字が引き取られた先の保護者の名字に変わっていないので親戚かどこかの家だろう。
〈天満教〉の信者のデータベースは最近の情報では、信者の血縁関係まで詳細に記録されているが、高坂夫妻が焼死した頃の情報はそこまで記録されていない。
「こうなったら高坂貞人に直接会って、バイヤーのカズキの居場所を聞き出すしかないか」
隆史はそう言ったものの、頭を抱えてしまった。
高坂貞人の愛人の松澤梓と、梓のあずかっている達也のことがある。
高坂貞人が中学生の頃に、子供の頃の美和を殺害しようとした。高坂貞人には、忘れさせられている記憶がある。
それを松澤梓が隆史たちに説明されたとしても、梓には信じがたい話すぎて、高坂貞人と別れると言わないだろう。
美和は、貞人の妻や母親として達也を育てることは、すでに我慢の限界であり続けていくことはできない。
松澤梓以外に、達也には保護者となってくれて安心して頼れる大人がいない。
気がかりはもうひとつある。
美和が失踪したと貞人とカズキが気づいたあと、どんな動きをするか隆史たちには予測がつかない。
カズキが美和をなぶりものにしていることを、貞人は気づいている。
カズキにドラッグを使われぐったりと疲れ果てている大人の美和が、帰宅して興奮した貞人に犯されているのを、子供の美和はどうすることもできず「魔法のテレビ」で見ながら泣いていた。
そのことを隆史は子供の美和と、夢でデートして聞き出していた。
松澤梓の話から貞人とカズキには、金銭的なつながりがあるのはわかっていた。
しかし美和を、二人で共有して凌辱する関係は、金銭的なつながり以上のものがある。
貞人かカズキのどちらかが美和が失踪したと気がつけば、その情報は共有されるだろう。

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