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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 632

国会図書館への連絡や、倉持志織には高坂貞人という信者がいなかったかを急ぎで調べてもらっていた。
おそらく高坂貞人の両親と思われる信者の夫婦の名前がわかった。高坂貞人は入会した日だけで、それ以降はセミナーや集会に一切参加していない。
「新聞記事が見つかれば、警視庁のデータベースで検索できます」
「警視庁のデータベースの検索は、高坂貞人の両親の事件だけでいい」
本条恵美に隆史はそう言った。
「どうしていきなりそんな子供を狙う事件を調べることにしたの?」
谷崎麗が信号待ちをしている間に、隆史に質問した。
「俺たちが、達也の大人のおともだちだからだよ」
隆史はそう答えたが、麗はこの時、意味がよくわからなかった。
隆史は首を殺そうとして締められた疑似体験をしたのを思い出して、自分の首を撫でた。
高坂美和の失われていた記憶が、その後の人生の行動に影響を与えてきた。
高坂貞人の中に、快楽殺人者が潜んでいるとしたら?
美和は頭を撫でられた瞬間に、記憶がよみがえった。中学生だった貞人に、少女の美和は、頭を撫でられるのがとても好きだった。
貞人が〈天使の涙〉で失われている記憶をふとした瞬間に取り戻したとしたら。
もしくは、すでに過去の自分を取り戻していて、目立たないように暮らしているだけだとしたら……。

倉持志織は高坂美和とカウンセリングを行った結果を隆史に報告した。
「隆史様、高坂美和さんは、もう問題はありません。……現在の主婦と母親としての生活を手放す、という条件つきではありますが」
美和は、かなり気持ちが満たされていない子供だった。
どんな子供も100%気持ちが満たされることはない。すべてのことは人間の思い通りにはいかない。
親と接していれば愛情不足と不満にならないかといえば、そうとも限らない。
それは、子供がどう感じるかの問題だからだ。
たとえばスケッチブックに、子供が絵を描いていて
「これは何の絵かなぁ?」
とのぞき込んで、興味があるように言う親もいる。
「色がきれいね」
と感想を言う親もいる。
子供が絵を見せに来るまで、何も言わない親もいる。
「うわっ、上手ね、もっと描いて」
とおだてる親もいる。
毎回、同じことしか言わない親もいる。
絵を描きたいのではなく、親にかまってほしい子供もいる。
親のそばで、ただ何かしていたいだけの子供もいる。

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