PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 616
 618
の最後へ

媚薬の罠 618

何か話が大きくなり始めた気がして、高坂貞人が「質問してもいいですか?」と佐倉花凛に声をかけた。
「はい、貞人さん、なんでしょうか?」
「受付嬢の美和ちゃんが、他の奴と結婚しても何も問題ない気がしたんだが、何か問題があるのか?」
すると、老嬢がじっと貞人の顔を見つめてから言った。
「貴方、子供の頃のことを覚えてらっしゃらないの?」
「俺は子供の頃の記憶は。思い出せないんです。高校生ぐらいのことは覚えてますが、小学生や中学生の頃の記憶は、抜け落ちています」
「そうなのですね。治療などは?」
「高校生の頃に催眠療法なども受けましたが、思い出せません」
「ご両親はご健在なのですか?」
「おや、それは、もうすでに調査済みなのでは?」
高坂貞人は高校生の頃に、叔父叔母に引き取られている。両親のことは覚えていない。
「戸籍上の親はいますが、会ったことがありません」
佐倉花凛は思いがけない貞人の話に、驚いて二人の会話をただ聞いているばかりであった。
「美和も両親を亡くしています。親戚とのつきあいもありません。どうかよろしくお願いします」
「貴女がいるじゃないですか?」
貞人は高校を卒業すると、叔父と叔母から、両親が残した金を受け取り、大学生の頃からは一人暮らしをしている。
「私はもう若くはありません」
老嬢の佐伯直子は、さみしそうに笑った。
(俺の過去と何か関係あるのか?)
ようやく、高坂貞人は佐伯美和に興味を持った。
「わかった、孫娘は孕ませてやる。あとで後悔するなよ」
高坂貞人が、それまでの雰囲気とはまるで違う声で、老嬢に言った。
「……はい、よろしくお願い致します」
その返答の声に潜む艶のようなものに、佐倉花凛も気づいた。
「佐伯直子は、私と同じ……Mですか?」
帰りの車内で、佐倉花凛がトヨタのハリアーを運転しながら助手席の貞人に聞いてみた。
「間違いない。でも、もっとハードなプレイの愛好者だな」
それ以上、佐伯直子について、花凛はこわくなり聞くことができなかった。
社内の協力者として選ばれたのは総務部の部長、三宅香帆。受付嬢は総務部に所存している。
「普通に考えたら、何よ、それは、って感じだけど、花凛が言うなら本当のことだって信じられる。だから、高坂さんに協力するわ」
さばさばした口調で貞人に話す。
「まあ、よろしく」
「高坂さん、いちおう私は貴方の上司なのよ。わかる?」
「……パワハラ上司」
高坂貞人の人事異動の辞令が出されたのは、佐伯直子の邸宅を訪問して、わずか3日後のことであった。
貞人を引き抜かれた営業部の部長、田所が「うちの新人を3人、そちらに回すから、高坂だけはかんべんして下さい」と人事部に連絡を入れたので、部長クラスの社員の間では「3人分の高坂」と呼ばれることになった。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す