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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 616

そこで一般の投資家は、プロキシー・ファイトが始まると争っている両者が、株式の買い集めをしていると推測する。ここで株式が多く買われると、あわせて株価も上昇することになる。
株価上昇前の安いうち株式を多く購入すれば大きなキャピタルゲイン(株の購入と売却の差額の利益)を獲得できると考える投資家は、プロキシー・ファイトの当事会社の株を買うため、さらに株価が上がる。
どちらかの陣営側が優劣が見えてくると株式の買い集めがストップ、または売却される可能性が高くなる。
そうなると株価は下降傾向に変動する。
つまりブロキシー・ファイトの株価上昇は、一時的なものにすぎない。
貞人の知る大株主たちの動きにうまく乗れば儲かると、カズキなら貞人の金を借りてでも丸鷹商事の株を確保して、株価の上昇と同時に売ることを考える。
資金運用はカズキに任せっきりだったので、貞人はこの時まったく儲かる話だと気がつかなかった。
佐久間廣が、本社に女性社員がたくさんいるなかで佐倉花凛を愛人にしたがったのは、自分の持ち株の比率では不正が発覚したときに株主総会で辞任させられてしまうので、佐倉グループと手を結んでおきたかったのである。
だから、佐倉花凛は自分の血縁の佐倉グループに、社長が黙認した不正の事実を佐伯グループのボスに直談判した。
現社長の佐久間廣が、本社に女性社員がたくさんいるなかで佐倉花凛を愛人にしたがったのは、自分の持ち株の比率では不正が発覚したときに株主総会で辞任させられてしまうので、佐倉グループと手を結んでおきたかったのである。
ブロキシー・ファイトが勃発した時の切り札として佐倉花凛を選んだ。そして佐倉グループは、不正の事実は隠蔽する点では佐伯グループと同じだが、社長の佐久間廣の経営陣を維持して佐倉花凛に監視させ続けるほうが、花凛を新社長に就任させるより早いと考えた。
佐倉グループの血縁者を佐伯グループのボスの佐伯直子が認めず、外部の企業から、社長にするための扱いやすい人材を連れてくるものと考えていた。
老嬢の佐伯直子が、孫娘のために仕掛けたハニートラップ。
その結果、社長の愛人として丸鷹商事の実権を裏で握る女帝の立場ではなく、新社長となって、もう佐倉グループの言いなりのいい子ではないと、反旗を翻すことを、花凛は選んだ。
服従させられるのと、自分から望んで服従することのちがいを、高坂貞人が、花凛に気づかせてしまったのだった。
高坂貞人を佐伯美和と結婚させること。
それは佐伯グループの御曹司の恋愛結婚を反対して、佐倉グループの企業の令嬢と婚約させようとしたことの罪滅ぼしなのかもしれなかった。
孫娘の美和には、自由に恋愛させてみたい。老嬢も、親の決めた婚約者と結婚した過去がある。
「……あの、俺でいいんですか?」
高坂貞人は、佐倉花凛に連れられて佐伯直子の邸宅を訪れた。
「貴方がもしも、資産家や会社経営者ならば、孫娘の美和とおつきあいはさせませんよ」
老嬢、佐伯直子が微笑を浮かべ紅茶を飲みながら貞人と話した。
「美和には佐伯家の財産は受け継がせる気もありませんから、困ったからと言っても頼られても困ります。よろしいですね?」

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