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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 603

同僚の杉下が言うのを、朝の出勤途中で買ったタマゴサンドを、黙々と食べている貞人は受け流すように返事をした。
「貞人の趣味は、かわいい感じよりも、秘書課の佐倉さんみたいなエロい美人だからしょうがないか。はあ〜、美和ちゃんとやりてぇなぁ」
秘書課の佐倉は貞人が一人で夜11時にまだ残業して、上司から頼まれた仕事を片づけているとき「差し入れよ、ちょっと休憩しない?」とやって来た。
「俺、今、忙しいんで。差し入れありがとうございます」
そっけなく、正確には炙りで覚醒モードに入っている貞人がキーボードを叩きながら、返事をすると佐倉は貞人の背後から抱きついて、耳を舐めてきた。
スタイルも良く、顔立ちもちょっとつり目の美女、同僚の杉下に言わせれば「女王様タイプ」な雰囲気らしい。
「じゃまするな、メス豚」
貞人が振り向きもせずに言った。
「そうだと思った……濡れちゃうわ」
貞人の声に、佐倉はぞくっと背筋に這い上がる興奮を感じた。
佐倉は貞人から言われて、貞人の後ろで正座をしてじっと貞人を見つめている。
貞人は上司から無愛想なので好かれてはいないが、仕事に関しては必要以上に頼られる傾向があった。
貞人の背後で正座している秘書の佐倉はたまたまエレベーターで、貞人と二人きりで乗り合わせることがあった。
貞人は明らかに他の男性社員とは秘書の佐倉に対する態度がちがっていた。
不器用であまり仕事ができない男性社員は、男性社員の70%もいる。佐倉と二人きりで乗り合わせると、隅に移動して距離をあけ、ちらちらと体をながめてじっとして緊張している。
器用で、仕事を問題なくこなす男性社員は、何階ですかとボタンを押したり、対人スキルの高い男性は、佐倉に天気の話や、忙しいですかと場の雰囲気を自分が快適になるように話しかけてくる。これが男性社員の30%……なはずだった。
貞人はちがっていた。
秘書の佐倉が手ぶらなのを見て、何か伝言や社長が目を通して許可した書類を各部署に届けた帰りと判断して、社長室の階のボタンを押した。
そのままボタンの押せる位置から、貞人は動かない。
佐倉の位置はエレベーターの空間でいえば中心なので、佐倉の視界から外れるために奥へ逃げる70%の男性社員なら、ボタンを押さすに逃げる。
社員室はビルの最上階なので、エレベーターが上昇を開始すると、佐倉が自分でボタンを押さなければならない。
30%の男性社員は、話しかけボタンを押すことで存在をアピールしている。自分の存在が対等だと、佐倉に伝えようと必死なのだ。
黙ってボタンを押す。
佐倉がちがう階に行きたければ、貞人に頼んで押してもらうか、貞人をどかしてボタンを押すか、最上階についてから下りで目的の階に行くか、この3つの選択が発生する。
貞人は自分が佐倉からどう見られているか、佐倉が動くように仕向けている。
そして、佐倉が行く階を的確に押していた時には、佐倉は貞人に言わなければならない。
「すいません、ありがとうございます」
と佐倉は貞人に軽く頭を下げて言った。
秘書は役割として、大半の平社員よりも役職と接するだけなので、業務内容は雑用でも、平社員からすれば社長の分身ぐらいの威圧感がある。
秘書が社長に社員の誰々から嫌なことをされた、失礼なことをされたと報告されたら、昇進を決めるとき社長から持たれるイメージが悪ければNOと言われ、昇進できない。
社長自身も社員に優秀な人材はいないか気にかけているが、秘書は雑用以外にも社員や社内の様子を聞かれれば社長に報告する風紀委員のようなものである。
社内規則に著しく反している者、身だしなみが乱れていたり、自分の部署は自分の思い通りになると調子に乗っている役職などは、秘書の偵察によってあとで、直属の上司から注意を受けたり、調子に乗った役職は、内容によっては降格させられたりする。
秘書にごますりとまではいかなくても、好印象を持たれたい役職や仕事ができる社員は、気を使いすぎてしまう。
秘書の佐倉に礼を言われた貞人は、愛想笑いもせずに、軽く頭を下げただけで黙っていた。
これが秘書の佐倉からすれば正解。
世間話をしてみたり、下手に話しかけて、逆に印象を悪くする人たちはかなりいる。

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