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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 597

「それは、どういうことですか?」
松澤梓が隆史に質問した。
「梓さん、最悪の場合には、達也くんと梓さんの二人で生活していくことも考えておいて下さい」
本条恵美が深く息を吐いてから、松澤梓に、とても悲しそうな表情で言った。
夢とは、抑圧された願望の、イメージ的充足にすぎない。
これは、精神分析の父と呼ばれるフロイト博士の提唱した学説のなかの一節である。
そのまま五歳の達也を、松澤梓とネコのレオにあずけ、隆史たちは高坂家へ向かった。
ドラッグの効果や使用後の離脱作用は、隆史の解毒薬と回復薬を服用すれば解消できる。
しかし、ドラッグを使って日常的に感じている抑圧から逃避できると思い込んでいる限り、ドラッグを求め続ける。
隆史は助手席で、運転中の谷崎麗に話した。
本条恵美は、亡夫の正和と共に違法薬物に関連する事件を捜査し、ドラッグの使用者たちとも接する機会も多かった。
だから、隆史の話すことが、リアルな現実であるとすんなり納得できた。
きっかけはどうあれ、高坂美和は薬物を使用した。そのツケを今、払わされている頃なのだ。
谷崎麗と清水真奈美が達也を図書館に連れて行っていた間にわかったことを、隆史と本条恵美は助手の二人に伝えた。


「あなた、今日の昼間にカズキさんという若い方が訪ねて来ましたよ」
夫の貞人が夜11時に帰宅したので、美和がシャワーを浴室で浴びている時に、バスタオルや下着とパジャマを脱衣場に置きながら、ガラス越しに話しかけた。
「また来ます、ガスキといえばわかります、貞人さんによろしくお伝え下さいとおっしゃって帰られましたけど、連絡先を聞くのを、私、うっかり忘れてしまいました」
訪ねてきたガスキの繊細そうな長い指や端正な顔立ちに心奪われ、夫よりも背丈は少し低いが、スーツ姿も良く似合っていると思って、美和はつい見とれてしまっていた。
「そうそう、いただいたケーキは達也の分だけ先にいただきましたけど、冷蔵庫の中にあります。あなたがモンブランがお好きなのを知ってらっしゃるということは、かなり親しい方なんですね」
「俺たちが結婚した頃はちょうどフィリピンに仕事に出かけていたから、結婚式には呼べなかったけど、大学生の頃からの親友だよ。そうか、仕事から戻って来たんだな」
風呂上がりの貞人が、ケーキを食べると言うので、美和は紅茶を淹れた。
「どんなお仕事なさっている方なの?」
「個人で輸入代行業をしてる、優男だけど、ああ見えて、かなりできる男だよ。カズキは俺みたいに、会社勤めにしがみつかなくてもいいから、羨ましいよ」

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