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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 596

「でも、達也のママはそこをよくわかってない。探偵に浮気調査を依頼して、梓さんが逮捕されるような証拠を、探偵につかませようとした。普通の探偵なら、やっかいごとに巻き込まれないように、通報してただろうな」
隆史は本条恵美の顔を見て言った。通報するなよ、と言っているのと同じなのを本条恵美が察し、小さくうなずいた。
「達也は今まで、ママにぶたれたことがなかったんだろう。怒鳴ったり、叩いたりは、ここぞって時はやるけど、それをされたことがない。過保護なわりにいい子なのは、厳しくもないが、あまりかまってもらえてないから、大人に気を使って育ってるせいだろうね」
それを聞いた松澤梓は、隆史が達也のことを気にかけているとよくわかった。
「今まで、子供に手を上げたことのなかった母親が、それも図書館に行きたいとごねただけで、手を上げた。それがどんな意味があるのか、梓さんはもうわかってるんじゃない?」
隆史はレオの背中を撫でて言った。
松澤梓はわかっていた。
高坂美和には、達也が夫の愛人の松澤梓になついているということが、本当の母親として、許せなかったということを。
「本妻と愛人のもめごとに、達也がふりまわされたのは、とてもかわいそうだと思う。でも、それ以外に俺が気になったのは、いい母親ぶっていた達也のママが急にそれを止めて感情的な行動に走ったのかってことだ。梓さん、何か心あたりがあるんじゃない?」
隆史が、松澤梓の目をまっすぐ見つめて質問した。
高坂貞人から松澤梓は、いずれ必ず高坂美和と離婚することになるから、その時は、達也のママになってほしいと言われていた。
離婚するから、ではなく、離婚することになるから、と貞人は梓に言った。
梓は、直接はこわくて聞いていないが、貞人とカズキが美和に何かをしていると思っていた。
「……心あたりなんて」
「あるよね。バイヤーのカズキの噂を聞いたことがある。女性を薬漬けにしてさんざんオモチャにしてから、薬を買う金がなくなったら捨てるって噂だね」
隆史は松澤梓が思い浮かべたことを、恵美に聞かせるためにあえて言った。
梓の顔が青ざめている。
「梓さん、そんな顔をしてたら、達也が心配するだろう。梓さんの本当の気がかりは、達也のパパが、カズキと一緒にドラッグに手を出しているんじゃないか、ってことだよね?」
「そうです」
隆史が梓の返事を聞いて、本条恵美にうなずいた。
「梓さん、高坂貞人さんが違法薬物を使用していたとして、裁判を受けることになったら、あなたはどうするつもりなのか話していただけますか?」
「そうなったとしても、私の気持ちは変わりません。貞人さんと達也くんのことを、私はずっと愛していきます」
梓はそう口にして、ハッとした表情になった。話すつもりがなかった本音を、隆史と本条恵美に話してしまったことに驚いている。
隆史が〈神眼〉の催眠で、松澤梓に本音を言う暗示をかけたからであった。
「そうですか。梓さんのお気持ちはよくわかりました」
松澤梓に、本条恵美は微笑を浮かべた。
「梓さんの覚悟はできてるから、心配は達也が、美和ママにいじめられたりしないかと、バイヤーのカズキのことだけだね」
松澤梓は心にしまってあった本音を他人に話したことで、はっきりと自分の中で気持ちの整理がついたのだった。
「恵美、達也のおともだちとしては、ちょっと梓さんに、協力しないわけにはいかないよな」
「そうですね」
「でも、状況がまだよくわからない。達也、梓さんのことはわかった。あとは梓さんの恋人の高坂貞人、浮気調査を依頼してきた高坂美和、バイヤーのカズキの三人だな」

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