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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 594

カズキは貞人のために売人から平気で安く買い叩くこともしたし、女の客には味を覚えさせるために、キメセクしてやったりもした。
(俺はもう普通には生きていけっこないけど、御主人さえいてくれたら、もう、それだけでいい)
バイヤーのカズキは、貞人のことを愛していた。心を満たせる存在は、貞人だけしかいなかった。
だから、高坂美和が許せなかった。
貞人の親友だと言って美和に近づいた。貞人が大切にしている女ならと親切にしようと思っていた。
だが、美和の本音を聞き出してしまったカズキは激怒した。
(貞人のそばで暮らしていて、セックスして子供まで産ませてもらって、何が不満なんだ?)
カズキは「高坂美和を奴隷にするから、売ってくれ」と、貞人に言った。なぜそう思ったのか貞人に説明しているうちに、カズキは泣いていた。
「わかった。カズキの好きにしろ」
貞人はカズキにキスをしてから、肩を撫で、そう答えた。
高坂美和は、息子の達也がすっかり梓になついていることに嫉妬した。
貞人のことは、もうカズキがいるので、達也と生きて行くために金を運んでくれる男ぐらいにしか思ってなかった。
だが、達也を奪われた気がして、許せなかった。
夫の愛人にすぎない女だとわからせてやりたかった。貞人がカズキとつながりがあるのと、利用価値があるので別れる気はなかったが、松澤梓は美和の生活をおびやかす敵に思えた。
本条恵美からの電話を切った高坂美和のスカートを引っ張り「図書館行きたい」という達也に美和はカッとなり、思いっきり頬を叩いていた。
(これも、あの女か悪いんだ)
叩いてしまって、泣き出した達也をなだめながら、美和の胸の奥にはどす黒いものが渦巻いていた。


隆史は悩んだ末に高坂美和のもとへ訪れる途中で、達也に会った。
母親の美和がひとりごとを言いながら、ソファーに座り考えごとを通りこして、妄想に耽ってしまい、こわくなって家を出て「レオとあずさちゃんのおうち」を目指して一人で歩いていた。
感情のコントロールが失われ、また考え事に心が奪われ日常生活に支障をきたし始めるのは、ドラッグの禁断症状のひとつなのだが、もちろん達也には何が起きているのかわからない。
谷崎麗が運転するレンタカー、トヨタハイエースワゴン特別仕様車で移動中、本条恵美が達也とすれ違ったのに気がついて、麗に声をかけた。
「泣きながら歩いてました、何かあったのかもしれない」
達也は「レオとあずさちゃんのおうち」には電車に乗って行くのを知っていたので、駅を目指して歩いていた。
隆史が車から降りて「おーい、達也」と声をかけて駆けよった。隆史は、足がものすごく早い。
名前をいきなり呼ばれ、見上げた達也の目線と隆史の目線がぶつかる。
「隆史さん?!」
本条恵美が、達也が突然その場で眠り込んだので、あわてて抱きかかえた。
「大丈夫、ただこの子はヒマラヤンのネコに会いに行くところらしい。送ってやることにしよう」

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