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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 560

それまで七海が欲情しきって積極的に隆史の愛撫に応じていた七海がうつむいて、ぽろぽろと泣き出したので、隆史はキスを止めて抱き合っている七海の頭を撫でながら話を聞いた。
媚薬の効果。今、七海の脳が活性化していて、人類の本能が甦っていると隆史は知っている。
何度も思い出したことほど、強く記憶として甦るように脳細胞のニューロンは海馬からの電気信号を受けて、ニューロンの分子に変化を生じさせ、ニューロン同士の接続を再編する。それは七海にとって感情のゆらぎが強かったことの証拠である。
人間はどうやって進化して過酷な自然の中で絶滅せずに生き残ってきたのか、ということに関わっている脳の働きがある。
木の実を拾ったりもいだりしていた時に、どんな状況で食料を獲得したのかを、記憶できたやつだけが生き残ることができた。
猛獣や毒虫など危険な敵を記憶できたやつだけが生き残ることができた。
よろこび、そして恐怖と悲しみ。つまり、感情を持ち、感情と記憶することの関連づけができる脳のシステムを持つやつだけが生き残って子孫を増やしてきた。
これは他の種族にも獲得されていた脳の働きだったが、その中でも、ホモサピエンスが現在まで絶滅せずに生き残ったのかということが、七海が元カレを思い出してしまうことに実は関わってくる。
さらに小規模な群れとして暮らし始めると、人の噂を聞いたり自分の話を聞いてもらえると。脳から報償ホルモンが分泌されるシステムを持つやつらが生き残った。
狩猟民族だったやつらだったので獲物を狩れなかったり、体が弱い使えない仲間を10%〜15%を殺して群れを維持した。農耕が始まる時代になると、群れの人数は増えた。すると20%ぐらい仲間を殺してしまうようになった。
人類は飢餓や病気、野生の獣などに殺されるよりも多く、仲間の人間によって群れから間引きされて殺されてきた。死因の中では、人間関係のトラブルで殺されるというのが一番の死因だった。
間引きのターゲットにされるのは協調性の低い者なのだが、直接手を下すと、殺害した者は危険なやつと判断されて次のターゲットにされかねない。
だから人間は直に手を出したり、腹が立ったから殺すというのではなく、なんであいつを殺すべきかを周りに伝えて、殺害の準備をする。噂で次に誰を殺すべきなのかを決めるという方法を、人類は編み出した。
狩猟時代から農耕が始まる歴史が始まる前の人類にとって、最重要なことは集団の中で自負がどう思われているのか、誰が集団の中で敵で、誰がすぐ人を殺すのか、危険なやつなのか、噂を流すということが生き残るために最重要な関心事だった。
100人から200人の集団の中で生き残るために進化した脳は、自分がどんな人間なのか、集団にとって危険ではないと知らせなければならないという感じる本能を持っている。
今でも、人類の脳の中では情報を発信して、自分が集団の中でどう思われているのか知りたがるという本能は残っている。自分のことを誰かに伝えたと脳が判断すると、報償系ホルモンのドパーミンが出るシステムが残っている。
食欲・睡眠欲・性欲よりも強い、つながり欲求を本能として今でも持っている。
自分ではない誰かが殺されるとわかり、もう大丈夫と安心するまで、噂を流し続けるように、脳のシステムからうながされ続ける。
「七海は、私と交尾しても安全で大丈夫ですって俺に伝えなさーいって、脳から本能として指示されていて、その情報はこれですかって七海が伝えられるように思い出してるんだよ。七海は本能に忠実なだけ。七海は中身は見た目よりワイルドだね」
隆史に説明されて七海は思わず笑ってしまった。
「隆史さんが勃起してるのと同じってこと?」
「そう言われると、そうだとしか言えないけど……本能には逆らえない。本能があるって気づくことは大事なんだぞ」
泣き止んだ七海に、隆史は「一緒にシャワーを浴びよう。俺の裸を見たら安心するかも」と言った。

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