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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 528

女社長の中川静乃から小野田美樹は嫌われていると気づいていないように田口純也には思えた。
「シズノエンターテイメント」には有名女優も在籍しており、二十歳の小野田美樹も将来は女優を目指していた。
その有名女優たちが、中川静乃の命令に絶対に逆らわないことでその地位を手に入れたことを田口純也は知っていた。
都内の撮影スタジオから小野田美樹を会社が用意した自宅の部屋にタクシーに乗せて帰すと、田口純也の顔から作り笑顔が消えた。
純也はビルの物陰に入るとバックから煙草を取り出して一服した。
「純也さん、私より疲れてるみたい。大丈夫?」
「心配されてるようじゃマネージャー失格だね。大丈夫。風邪でもひいたのかもしれない」
「あまり無理しないでね」
小野田美樹はマネージャーの純也に八つ当たりをしたり、意地の悪い態度で接することが一切なく、逆にこの性格の良さのせいで、中川静乃に嫉妬されているとは思わないだろう。純也は半分も吸いきらないうちに、煙草を革靴の底で踏み消した。
葉かこぼれ、ぐちゃぐちゃになった吸殻を純也は見て、ため息をついた。
中川静乃に気に入られるために純也はどんなこともしてきた。吸いかけの煙草を踏み潰すように、芸能界に憧れる若い女性たちの夢を潰してきた。
「シズノエンターテイメント」の芸能人たちは、有名になりそれなりの邸宅を購入した者をのぞけば、中川静乃が所有するマンションのビルの部屋で暮らしている。マンションビルは第1ビルから第6ビルまであり、中川静乃が認めた6人のマネージャーはそれらのビルの最上階で暮らしている。
「帰ったら電話して。待ってるから」
「美樹、会社に泊まるかもしれないから帰れないかもしれない。待ってなくてもいい。明日はコンパニオンの仕事があるから、よく寝て休んでおいて」
「はーい、わかりました。純也さん、おやすみなさい」とタクシーを待っている間に小野田美樹は純也に言っていた。
マネージャーは芸能人のサポートをするのが仕事だと思っていて、客先ではいい顔をしていても、マネージャーには態度が豹変する者と「シズノエンターテイメント」では6人の総括マネージャーのほうが立場としては自分たちより上だとわかっている者がいる。それがわかっていない者はいずれ潰される運命にある。
小野田美樹のように裏事情をまったく知らずに、総括マネージャーを信頼しきっている者はとてもめずらしい。
田口純也は第4ビルの総括マネージャーである。
第6ビルと第5ビルに暮らす女性たちは裏稼業のために中川静乃に飼われている奴隷のようなものなのだった。
田口純也は第6ビルの総括マネージャーから、第4ビルのマネージャーに昇格するまでに3年かかっているが「シズノエンターテイメント」では異例のスピード昇進である。

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