PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 508
 510
の最後へ

媚薬の罠 510

若いのにしっかりと作法が身についている人はめずらしい。あれはできているが、ここらダメということは教えていてよくあるが、教えることは何もないと思えたのは久しぶりだった。
そして倉持志織のお手並みも手慣れていて、作法を自分のものに感じられ、さすが教祖代理と感動していた。
さて、女子大生ふたりは、どうだったか。
山科遥が懐紙を1枚で手にしっかりのせきらずにお菓子を切ってしまい、ぽろっと切ったお菓子が畳に落ちてしまった。懐紙を束で使っていればそうならなかったのだが。
早川由希はうっかり茶碗の正面で口をつけてしまっていた。今回の茶碗は外側に絵柄がしっかり入っていて、内側の柄も見えるところが正面になるわかりやすい茶碗だった。由希は茶碗を回すのはわかっていたが、茶碗の正面を外して口をつけないためだとわかっていなかった。茶碗の正面が一番良い見た目であり、それを客におもてなしとして見せたい。しかし、そこから客が口をつけてしまうと、ながめた時に汚れてだいなしになってしまう。
(ふぅ、やれやれだわ)
倉持志織はすました顔でそう思っていた。
ありがちな失敗例の見本のような女子大生ふたりなのだった。
茶会が終わってから、隆史は1階のロビーのソファーに座って、ふたりに作法を教えていた。
「わからないで失敗するなら、あぐらをかいてがばっと飲んで、和菓子も手づかみでパクってやるほうが潔いかもしれない」
それを聞いて倉持志織がくすくす笑ってしまった。
「志織、おもしろかった。ありがとう」
隆史は山科遥と帰りは志織にタクシーを呼んでもらい、駅前に帰ってきた。
隆史は山科遥にその場で2万円渡してやり「がんばれよ」と励まして、山科遥から離れてタクシーに乗って去って行った。
山科遥は隆史が立ち去るまで、ぼーっと立ち尽くしたままだった。そうなるように隆史が神眼で暗示をかけたからである。
我に返った山科遥は、手に持っていた2万円をとりあえず財布にしまった。
一週間後の午後2時。山科遥は隆史と行ったスターバックスの同じテーブル席にいた。
隆史は山科遥が卒業するまで銀行口座に毎月5万円前後を振り込んでやった。
5万円ではなく5万円前後だったのは、振り込み前に隆史から電話で必要な金額を聞かれ、それより3千円ぐらい多く隆史が振り込んでいたからである。
看護師の資格を取得した山科遥が就職したのは、大学病院ではなく、整形外科医の光峰晶クリニックであった。
「待ったか、1時間遅刻してみたぞ」
「ここに来たら、また会える気がして。2万円、ありがとうございました。私は山科遥といいます」
使っていた冷蔵庫が壊れてしまい、買い換えたので手持ちが少なく、彼氏と別れてからはしていなかったデート交際をして、隆史を客とまちがえた。
まちがえたとわかったのは、帰宅してから、LINEで、すっぽかされた客が文句をつけてきたからだった。
デート交際をした事情を聞きながら、キャラメルマキアートを隆史はちびちび飲んだ。
なぜ、一週間後に山科遥がスターバックスに来たのかと言えば、隆史が午後1時に来るように帰るときに暗示をかけていったからである。
(一週間ならできるようになったな。雅樹みたいに10年後に俺を特定の場所に行かせたみたいな長期的なやつは無理だけど)
「窓の外をながめるのが好きなんだな」
山科遥がはっとした表情になった。
隆史は午後1時に山科遥が来るか離れて確認したあと、山科遥の様子を店の外から見ていた。
「外から私のことを見てたんですか?」
「ひとりの時。何をしてるのかなって。あと、俺じゃなくて他の人と待ち合わせかもしれないから」
「それで、1時間も様子を見てたんですか?」
「1時間遅刻してくる相手かもしれないだろう。でも、遥が待ちきれないで帰ってしまうかもしれないから」
「お店の人がご遠慮下さいって言うまでは、ここであなたを待っていたかも。あなたの名前を教えてもらえますか?」
「俺の名前は檜垣隆史」
「隆史さんですね。教えてくれてありがとう」
山科遥はこのあと、今まで経験したことない倉持志織が信者に言うところの「神からあたえられたかのような悦び」に全身が蕩けきってしまうような快感のあとの陶酔を知ってしまうことになった。
大学1年のときに同じサークルの3年生の先輩とつきあって処女ではなくなったが、その先輩とは1ヶ月で別れた。大学2年生の先輩から「あたしの男をとらないでくれない?」とものすごい目つきでにらまれて言われたからだ。
だから、サークルも辞めてしまった。
デート交際の客だった化粧品メーカーの彼氏が、今も使っているFENDIのピーカブー アイシーユー スモールダブグレーレザーバッグをプレゼントしてくれた時にセックスをした。あと、彼氏の誕生日だと言われた日に。
「だから、セックスするの、ひさしぶりなんです。すごく緊張してます」
「茶会よりも?」
「裸を見られてるだけで泣きそうです」

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す