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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 508

倉持志織は〈天満教〉教祖代理として、いろいろな信者たちと接しているので、山科遥がデート交際で強気な女に自分を見せようとしたのは、隆史の話を聞いて連れて来る前から察していた。
街をふらついている隆史が、自分と離れているときでも、少しは思い出してくれているとわかって、うれしくて、山科遥を隆史が連れてくることを了承してしまったが、さてどうしたものでしょう、と考えていた。
山科遥なりの普通の恋愛関係の態度で檜垣隆史に接していたら……ということはありえない。
山科遥としてはデートにわざと遅れるつもりが、ちょっと遅れすぎたが、山科遥の考える普通のデートにおける理想の到着は、自分が10分前に待ち合わせ場所に到着して、彼氏は5分前に到着するというイメージを持っていた。
自分が待つのではなく、彼氏を待たせる。
化粧品メーカー勤務の彼氏はつきあい始めは5分前に待ち合わせに来てくれたが、慣れてくると30分遅れてくるのも早めに来たと山科遥が思うぐらいになった。
隆史がひとりで行動するときはとても早足なのを倉持志織は知っているので、2階の食堂の窓辺から、隆史が隣に山科遥を連れて歩いて来た姿を見て、ちょっとだけうらやましい気持ちになった。
下手にうらやましいと言えば、倉持志織も催眠にかけられたいのかと隆史が誤解しそうなので言わないでおくことにした。
隆史は情報収集のぼんやりモードにしていた山科遥を、ビルの入口で通常モードに戻した。
隆史が先にビルの中に入った。
山科遥はためらって立ち止まっていた。
飲食店やデパートのビルに入るのとはちがい、気分としては抵抗がある。
2階からエレベーターでおりて来た倉持志織が、隆史と何か話しているのを見て、山科遥は女の直感で小走りになって隆史のそばに行った。
「あら、隆史様、お友達ですか?」
倉持志織はすっとぼけて言うと、山科遥に笑いかけてみせた。
「私は倉持志織と申します。檜垣隆史様よりご連絡いただきまして、準備ができております」
「今日な茶道教室だって。茶道の歴史の話を聞いたら、茶を立ててくれるそうだよ」
帰ります、と言いそびれたのは五十代の和風姿の茶道の先生が三人に挨拶したからだった。
「森下典子と申します、本日は講師としてお呼びいたたき、ありがとうございます」
隆史は森下典子が、駅前に行く前にビルの前ですれちがった女性の中にいたひとりだと気がついた。

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