PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 492
 494
の最後へ

媚薬の罠 494

「私はあなたに、日本でアルベール・レノが作ったドラッグが限定品だったと言いました。それを知っているのは私が〈天満教〉の関係者だからです」
「あの、檜垣隆史さんも〈天満教〉の関係者ですか?」
「隆史様は、宗教にまったく興味がないとおっしゃっていました。私はそれをいつも残念だと思っているのですが」
倉持志織か遠くを見るような目をして言った。
「……すいません、トイレに行ってもいいですか?」
「どうそ、廊下に出たら、左奥の突き当たりにあります」
島袋琉は応接室のテーブルの上に、わざとスマートフォンを置いてトイレに行った。さわられたらわかるように微妙な角度をつけて置いた。
本条恵美の探偵事務所の電話番号、月虹学園の事務局の電話番号、清心女性サポートセンターの電話番号しかまだ登録されていない。倉持志織に流出しても困らない情報しかまだ入っていない。
倉持志織が「〈天満教〉の関係だからです」と言ったのを聞いたので、トイレからどこかに電話をかけて倉持志織の情報を流す気はないという意思表示だった。
以前に島袋琉は北川天について調べたときに〈天満教〉についてもネット検索したのだが、詳しい情報はわからなかった。
檜垣隆史の情報と同様に、倉持志織が〈天満教〉の関係者という情報は、他言無用の情報だと判断したのである。
島袋琉は洗面所の鏡で自分の顔を見て、頭の中で情報を整理した。
応接室に島袋琉が戻ってスマートフォンの位置を素早く確認した。動かされた形跡はない。
「アルベールと俺がルーアンのジャンヌ・ダルク像を目印に待ち合わせしたことを、なせ、倉持志織さんは知っているんですか?」
「その約束はあなたが生まれた日に、アルベール・レノとあなたの御両親が交わした約束だったからです。あなたがフランスで待ち合わせた日はアルベール・レノの誕生日なのです。あなたの御両親がアルベール・レノを北川天に引き合わせたのですよ」
檜垣隆史が事務所の信者管理リストから、島袋琉の両親らしき名前を見つけ、そこから、北川天へ報告したアルベール・レノを天満教のする計画書を見つけ出したのだった。
「俺の祖母は俺の両親が〈天満教〉の信者だったことは知っていたのでしょうか?」
「そこに関しては不明です。計画書によれば、期日にフランスへ行かさなければ娘の身に危険がおよぶと島袋キヨに遺言する、となっていましたから、知らずに信じてあなたをフランスへ行かせたのかもしれないし、知っていてあなたをアルベール・レノにあずけるつもりで出したのかは、わかりかねます」
隆史が倉持志織に伝えるように任せたのは、北川天の「人類救済計画」というタイトルの計画書についてだった。
「教祖の北川天は自分以外の人間を道具としか考えていなかったのです」
「俺の両親も、キヨも、そいつに利用されて殺されたのか……」
「キヨさんは癌を患っていましたが、余命宣告でもって半年と言われていたのに、その後40年以上生きておられました。とても不思議なことですが、自分の死期に合わせて、あなたをアルベール・レノのもとへ行かせたような感じがします」
「〈天満教〉は教祖が失踪したことで、残された信者間で内部分裂を起こし、一度は瓦解したといえます。北川天を崇拝する教祖派と教祖代理をリーダーとする新教祖派、そのどちらでもなく他の宗教団体へ流れた信者に分けることができます。私は新教祖派ですが、教祖派や他の宗教団体から新教祖派に改宗なされた信者から、北川天の計画書があること、それに従って教祖派の信者たちは今も活動していることを知ったのは3ヶ月前の話です。計画書に〈天使の涙〉というイニシエーションの儀式に使われていたドラッグが、同時に避妊薬であることが書かれてありました。北川天はいずれは〈天使の涙〉で世界の人口をコントロールする計画だったのです」

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す