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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 492

「失礼だと思えば答えていただかなくても私は良いのですが、いくつかあなたに質問させていただきたいのです。質問に対して答えるときは正直かつ誠実に答えて下さい。よろしいですか?」
「はい、もちろんです」
「あなたはアルベール・レノという男性と暮らす前は、どのように生活していたのですか?」
「日本の沖縄で祖母と暮らしていました」
「あなたの祖母にあたる人の名前は、島袋キヨで間違いありませんね」
「はい」
「それはあなたの御両親が亡くなって、島袋キヨさんがあなたを引き取ったからでよろしいですね」
「はい」
檜垣隆史の行動と、会うための連絡先を聞きに来たはずが、自分の過去に関する質問をされ、祖母の名前まで倉持志織が知っているようなので、島袋琉はいったい何の確認をしようとしているのだろうと考えながら、倉持志織の質問に答えた。
「あなたは島袋キヨさんが亡くなった時に、アルベール・レノという男性とフランスにいたのですね」
「はい」
「島袋キヨさんの埋葬や訃報の連絡は、島袋キヨさんが生前から準備なさっていたのですね?」
「はい、そう聞いています」
「日本から離れて、フランスのアルベール・レノを訪ねるようにあなたに命じたのは島袋キヨさんで間違いありませんか?」
「はい。祖母が準備を整えてくれていて、祖母が占った結果の吉日に合わせて、旅立つように言われました」
「フランスに到着してあなたはシャルル ド ゴール空港からパリ市街のアルベール・レノのもとへ行きすぐに会うことができましたか?」
「いいえ、祖母に教えられていたのは、バリではなく、ルーアンでした。シャルル ド ゴール空港から、ルーアン空港へゆく便で向かいました」
ルーアンは、フランス西部、パリより344km。
ルーアンにはかつてはジャンヌ・ダルクが火あぶりで処刑されたヴュー・マルシェ(=古い市場)広場がある。
月曜以外の毎朝花、青果の市が立つ。広場の周辺はカフェやバー、食材店などが立ち並ぶ。
ノルマンディー地方特有の木組みの家の景色が見られる。
「ジャンヌ・ダルク像はすぐに見つかりましたか」
「はい。ジャンヌ・ダルク教会のそばたと祖母に聞かされていたので」
島袋琉の手が緊張で汗ばんだ。
島袋琉はアルベール・レノとジャンヌ・ダルク像を目印に待ち合わせしていたはずだった。
しかし3日待っても待ち合わせ場所にアルベール・レノは現れなかった。
倉持志織は待ち合わせたことを知っているのか、それとも、観光スポットにある像なので質問しただけなのか。
「それから各地を放浪してバリにたどり着いた」
「そうです」
島袋琉がパリに流れついた頃、ほとんど所持金も尽きかけていた。アルベール・レノがパリにいるとは思っていなかった。
「最後の質問です。あなたは島袋キヨさんに日本語の手紙で自分の居場所を知らせましたね」
「はい」
倉持志織はその返事を聞いて、ため息をついた。
アルベール・レノと会うことができて、すぐに祖母へ手紙を出した。それから1ヶ月後に祖母の訃報の知らせが、パリのアルベール・レノと暮らすアパートの部屋に配達された。

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