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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 491

事務の職員だと思って島袋琉は話していたので、内心では驚いていたが、ひと呼吸だけ間を置いて、話した。
「面会の予定を入れていただきたいのですが」
「本日であれば、夕方6時以降にこちらまでおいで下さい。明日以降でしたら一週間後となりますが、いかがなさいますか?」
「夕方6時に伺わせていただきます」
「では、島袋琉さん、お待ちしております。失礼致します」
倉持志織のところにも事前に、島袋琉が訪ねてくることを隆史は知らせてあった。
夕方5時で表むきの業務は終了し、夕方5時半には倉持志織以外の職員は帰宅する。
その後、倉持志織による〈天満教〉の信者たちの対応は夕方6時から深夜まで続くことはざらにある。探偵事務所を島袋琉か訪れる前に、本条恵美が倉持志織に連絡を入れてあった。だから、今夜だけは島袋琉のために倉持志織はスケジュールを空けておいたのである。一週間後の面会を島袋琉が希望していたら、隆史に報告することになっていた。

倉持志織。
聖心女子大学卒の経歴を持つ才女である。
北川天がのちのちは〈天満教〉の宣伝係として使うつもりでいた人物である。哲学、宗教学の他に心理学にも造詣が深い。
北川天の失踪後は〈天満教〉の改革を進めると同時に、内部分裂による解散を自分が教祖代理となることで阻止した。
NPO法人清心女性サポートセンターという女性を支援する活動を〈天満教〉の信者たちに協力してもらいながら行っている。認定NPO法人となっているのは、檜垣隆史がスポンサーとなって設立された団体だからである。
島袋琉は夕方6時ちょうどに。清心女性サポートセンターのビルを訪れた。
「清心女性サポートセンターへようこそ」
倉持志織に来客用の応接室に案内された。
DVなどで家出してきた女性や母子の保護、その他に職業訓練や必要に応じてボランティア活動などを行っていると説明された。
「檜垣隆史さんが、なぜアルベールや俺の情報を拾うことになったのか、教えていただけますか?」
島袋琉は倉持志織に要件を切り出した。
「その件に関しては本条恵美さんからも説明があったと思われますが、ほぼ解決済みとなっています。島袋琉さん、あなたにわざわざここまでお越しいただいたのは、あなたに伝えておかなければならない情報を隆史様が見つけたのでお伝えする役目を、私に任されたからなのです」
倉持志織はそう言って、ため息をついた。
倉持志織が檜垣隆史のことを「隆史様」と呼ぶのが気になった島袋琉は「話の腰を折るようで申し訳ありません。なぜ檜垣隆史さんを倉持さんは、隆史様と呼ぶのですか?」と質問した。
その質問を聞いた倉持志織は、島袋琉と隆史がセックスしていないことを察した。
「その質問の答えは、あなたが隆史様と再会できたあとで、ゆっくり話をさせていただければありがたく思います」
倉持志織は隆史と性交渉を持った女性であれば、たとえば星野舞のように前戯だけの性交渉だったとしても、実感として強い快感を感じることを前提に話ができるが、隆史と性交渉を持っていない島袋琉には理解し難いと判断して返答したつもりだった。
(倉持さんは用心深い人だ)
と倉持志織に対する印象を島袋琉は持った。

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