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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 482

「なぜ、隆史くんの存在をタブーにしているとあなたは思う?」
「わかりません」
「経済の蜘蛛の巣の中心にいるのが隆史くんだからよ」
日本がなぜ経済破綻せすに国として存続できているのか。
政府の金融資産614兆円。日本の対外純資産つまり海外に貸付している364兆円、家計の金融資産があり、これは一般家庭の現金や預金、債権や投資信託、株式、年金準備金といった資産の合計のことで1900兆円。
日本の借金は、2019年時点で、すでに1212兆4680億円を上回っている。
日本政府は日本全体で資産があることを前提に国債を発行する。日本国債の96%は日本の投資家が円で購入していて、残り4%も海外の投資家が円で購入している。
円は自国で発行されている。多額の国債の返済をもし急に迫られても、国内で円を大量発行して返済することができる。これは国債の100%が円で発行されていることにくわえて、自国で円を発行しているからできること。
「檜垣家は政府の金融資産、対外純資産に出資していて、それに家計の金融資産、特に大手の銀行に貸付を行ってきた。国債発行の貸付にも資金を回している。でも、隆史くんが政府もふくめて全部の貸付しているところに、たとえば一括返済を要求すると資産の信用が崩れて国債が発行できなくなる。政府は国債を払うために紙幣を大量に刷って補うしかなくなる。すると日本の通貨価値は崩壊して、大げさにいえば、お金の価値が下がる極限のハイパーインフレで、1本あたり1兆円出さないとチュッパチャップスが手に入らない国になる」
「檜垣家の資産運用がなかったら、とっくに日本は経済破綻してるってことですか?」
「歴史にもしもということはないから、もし檜垣家がなかったらと考えるのは、第2時世界大戦で日本が敗れていなかったらと想像してみるようなものでしょう。おそらく今の日本の生活や文化はなかったでしょうね」
徐麗花が微笑を浮かべたまま、島袋琉に檜垣隆史が特別な存在として隠されているわかりやすい理由のひとつを説明した。
さらに檜垣家は平安時代から現在まで日本の陰謀に関わってきた歴史がある。
檜垣隆史は権力者たちの陰謀にまったく興味がなく関与しないことで、影響を与えているともいえる。
関与すれば統制することはたやすい。同時にトラブルに対する責任も、檜垣隆史に押しつけることができる。
「隆史くんでなければ、自分は王様だと信じて人間のクズになってしまうでしょう。もし私が同じ立場でも、やはり冷酷で残酷な人間のクズになってしまうと思う。ふふっ、あなたならどうかしら?」
徐麗花は島袋琉にそう言った。
自分の考えていた檜垣隆史のイメージとはまったくちがうスケールの話をされて、島袋琉は呆然としていた。
「あなたの知らなかった隆史くんのことを私は教えてあげた。でも、この情報をネット上で拡散しようとしたり、気軽に人に話せば、私があなたを殺します。世界に隆史くんが日本の最も重要な要人だと知れわたれば、日本という国を滅亡させたい国の暗殺者が隆史くんの命を狙うでしょう。私はそれを許さない」
徐麗花。
中国の人身売買組織〈慶龍〉の女首領。
島袋琉は海外に渡り、放浪して歩いていたので度胸もあるが、危険を察する感性をしっかりと持っている。
「私があなたを殺します」と言うのが脅し文句ではなく、本気であり、徐麗花はそれができる人間だと島袋琉にはわかった。
「わかりました」
島袋琉の腕に鳥肌が立っていた。
手のひらが緊張で汗ばんだ。
ひとことだけ返事をするのがやっとだった。
(あら、この子、しっかり返事したわ。もしかして最近、隆史くんのそばにいたから、私の威嚇も甘くなったのかしら)

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