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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 481

(……落ち着け、よく考えろ)
島袋琉は自分に胸の中で言い聞かせながら、保健室のベッドで体を丸めて寝そべっていた。
島袋琉はこの時すでに檜垣隆史に恋愛感情を抱いていたのだが、アルベールのことを忘れたわけでもなく、悲しみがこみ上げてきて悼んでいる気持ちが強かった。
1時間ほど保健室で休んでいた島袋琉が、廃工場でシャワーを浴びて私服に着替えると、闇カジノのある〈慶龍飯店〉に向かった。
まだ闇カジノの開店時間ではなかったのだが、島袋琉はまだ冷静さを取り戻せておらず、ギャンブルが目的ではなく徐麗花にアルベール・レノについての情報を確認するのと、檜垣隆史に会うための連絡先を聞き出すために来たと小峰勝に言った。
VIPルームに案内されてきた島袋琉に徐麗花は話しかけた。
「人から聞いた情報をただ鵜呑みにしないで、しっかり確認を取りに来たってところね。今夜、すぐに来るとは思ってなかったけれど」
「アルベール・レノの情報を、あなたが檜垣隆史に教えたと聞きました」
「隆史くんは嘘をついたり、取りつくろうのが苦手なの。あなたに隆史くんが学園で会ったあと、すぐに連絡してきた。アルベール・レノの情報先が私だと島袋琉に教えたことをね」
島袋琉は徐麗花の美貌と瞳の色を見つめながら、ぞくっと背筋に這い上がるこわさを感じていた。
悪魔のWolf eyesと呼ばれている琥珀色の瞳に見つめられていると、何をこちらが考えているのか見透かされているような気分になる。
アルベール・レノの情報と島袋琉がアルベール・レノの資産を譲渡された情報を隆史に見せたのと同じように、徐麗花は島袋琉に見せた。
「あなたが今、日本で暮らしているという情報は直接、掲載されている情報はない。けれど、譲渡された土地があなた名義になっているから、あなたが日本で暮らしていると推測するのはたやすい。アルベール・レノの行方をドラッグ・ディーラーのギャングがまだ追っていたとすれば、すでにあなたのところにギャングが襲撃して拉致しているはず。そうなっていないということは、すでにアルベール・レノの件はギャングたちからすれば終わっているということがわかる」
「今度は隆史くんの情報を検索してごらんなさい」と徐麗花はパソコンで島袋琉に検索させた。
姓名判断するツールの検索結果で檜垣隆司という漢字か違う鑑定結果があるが、檜垣隆史の名前で検索される情報は見つからない。
「高額納税者のランキングでも、同性同名の別人も検索で拾われない」
徐麗花は島袋琉が隆史について何を知っているのか聞き出すのではなく、ネット検索させて、何をキーワードで検索するかを観察していた。
「この日本では檜垣隆史という存在そのものがタブーにされている。あなたの通う月虹学園のスポンサーなのも、ネット検索では、檜垣隆史という情報はない」
それは人が暮らしているのに、キッチンや部屋の中に生活感を感じる物が何もないような違和感を島袋琉に感じさせた。
「俺の知っている檜垣隆史という人は、まるで昔話の世界から抜け出してきたような感じなんです」
島袋琉はため息をついてパソコンの前から離れ、ソファーで徐麗花の前に向き合って、祖母から聞かされている檜垣家の話を徐麗花に話し始めた。
「というわけで、島袋家は檜垣家の血をわけてもらったことで、俺の代までかろうじてつながって残っているわけです」
「あなたも隆史くんのように薬を作れるの?」
「島袋家は祈祷師と薬作りという2つの生業を持っていましたが、その知識はすでに失われてしまっています。ドラッグの解毒薬なんて作れません」
隆史か島袋琉に媚薬を使っていないことを、島袋琉の返事から察した。

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