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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 477

隆史は腹を押さえて笑っている島袋琉を放置して、校長室のいつもは神宮寺桃子が着席している椅子に腰を下ろすと、机に両肘を立てて寄りかかり、少し前かがみで両手を口元の前て組んだ。
「アルベール・レノと離ればなれになってさみしくないか?」
檜垣隆史は、島袋琉に一番聞いてみたいことから質問した。
さがしている恋人の名前を聞いて、島袋琉が笑うのをぴたりと止めた。
「あんた、何か知ってるのか?」
ange〈アーンジュ〉というドラッグがある。
フランスでアルベール・レノがドラッグディーラーから依頼されて、日本で製造した〈天使の涙〉を元にして作ったと思われる。
アルベール・レノと島袋琉が同棲していた時には、ドラッグ密造容疑で警察から内偵されていた。
「フランス警察の資料から、島袋琉とアルベール・レノが同棲していたことを知った」
また〈天満教〉の北川天を崇拝する海外在住の信者たちは教祖の失踪にはアルベール・レノが関与していると考えていて、アルベール・レノは警察の他にも狙われていた。
ドラッグを密造させたドラッグ・ディーラーからもアルベール・レノは類似品を他の組織や海外で作られることや、警察にアルベール・レノが逮捕されてしまったら自分たちとの関係を話されては困ると、命を狙っていた。
「島袋琉、きみと暮らしている時は、アルベール・レノはドラッグ製造から手を引いていた。警察が逮捕して身柄を確保する3日前にアルベール・レノは失踪した」
檜垣隆史が話した内容は、失踪前のアルベール・レノの身に危険が迫っていたということだった。
島袋琉が所持している〈天使の涙〉について、隆史はすぐに聞き出そうとはしなかった。
「あんたも、アルベールを狙ってるのか?」
「俺はアルベール・レノの命を狙う理由がない」
「俺につきまとってもムダだよ。アルベールは俺にもどこに行くか言わずに消息を絶ったから」
「もしかして、きみはアルベール・レノを捜すために手がかりを求めて、日本に来たのか?」
「おっさんには関係ない。俺に関わらないでくれ」
島袋琉はそう言って校長室から出ようとソファーから立ち上がった。
「ダブルピースさせた女性に注射していたな。どのくらい薄めて打った?」
「おっさん、動画を見たのか?」
「どのくらい薄めて打った?」と聞かれた島袋琉は隆史が〈天使の涙〉の原液について知っていると思って、開き直って「100倍希釈」と答えた。
アルベール・レノの自分の知らない情報を聞いて、自分では冷静なつもりだが、島袋琉はいつもの冷静さを失っていた。
隆史は島袋琉の返事を聞いて「そうか」と言った。打たれた女性はその1回だけでは依存してはいないと考えた。
「闇サイトで復讐代行しているのや闇カジノに出入りしてるのも、アルベール・レノを捜しているからだな。俺はてっきりアルベール・レノが原液をあずけて、きみは東雲市の廃工場でアルベール・レノが迎えに来るのを待っているのかと思っていた」
「おっさんの教えてくれた情報が正しければ、アルベールは……もういない」
ついさっきまでは、可能性は0に近くてもあると信じようと思ってきたのに、その希望が砕けたことを島袋琉はまた実感できずにいた。
「俺は天満教でイニシエーションの儀式用に作られた〈天使の涙〉の解毒薬を作るために原液を探していた。でも、アメリカの研究所で働く山崎瑠々が解毒薬を製造できるようにデータを作ってくれることになった。解毒薬が手に入るようになれば、原液もフランスのドラッグ〈アーンジュ〉も価値がなくなる。もっと早く俺が解毒薬を作っていれば、アルベール・レノは狙われずに済んだ。すまなかった」

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