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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 476

「……というわけで、本日、午後3時にここで候補生として選ばれた島袋琉さんの面談を行います」
遅刻して登校した島袋琉は、校長室へ学園長の神宮寺桃子から呼び出された。
遅刻の件で担任から学園長に話がまわって、注意を受けるか処罰されるかと思いながら校長室に行った琉は、神宮寺桃子から思いがけない話の説明をされて呆然としていた。
檜垣家がまだ滅びていなかったこと。
月虹学園のスポンサーが檜垣家だったこと。
檜垣家が島袋キヨから聞かされた戦国時代の頃の話と変わらず、一夫多妻制ではない現在の日本で、後継者となる子供を孕ませる女性を集めて子作りしていること。
(それって、犯罪じゃないのか?!)
月虹学園の女性教員および在籍する女子生徒は、檜垣家当主から子作りを求められたら、身を捧げることになっている。当主に選ばれた女性は教員の場合は候補者、生徒の場合は候補生と呼ばれる。
戦国時代に島袋家は滅びかけた。シャーマンの家系を維持するために近親婚を繰り返し、知的障害を持って生まれてくる子は、神託を受けるユタになる。
しかし、なぜか知的障害を持つ子がまったく生まれなかったことが30年以上続いた。
そこで島袋家は檜垣家に祈祷師として薬を配り生業としたいので、子作りの儀式に島袋家の女性を捧げるので薬作りの秘伝を分けてほしいと願い出た。
子作りのあと生き残れた女性たちは、しばらく檜垣家の隠れ里ですごし、妊娠の兆候が現れなければそれぞれの実家に帰るか、そのまま隠れ里で檜垣家に仕えて暮らした。
島袋琉は知らないことだが、湯治場の村は檜垣家の隠れ里のひとつで、谷崎家の一族は檜垣家に仕えて暮らした女性たちの末裔と考えられる。
島袋家も檜垣家ほどではないが薬作りの技を持っており、妊娠の兆候のつわりを吐き気止めの薬を使いごまかして、檜垣家の血を継いだ子を孕んだ女性を連れ帰った。
檜垣家の血を継ぎ生まれた子は、毒物への耐性があったので、薬作りとして修行を続け、子孫に薬の知識を集めて伝えたという。
それからは島袋家では、後継者には、シャーマンの気質か、毒物への耐性を持つ者が選ばれることになった。
祖母のユタである島袋キヨから、檜垣家と島袋家の関わりについての物語を、島袋琉は昔話のように聞かされて育った。
島袋家のユタは祖母の代で途絶えて、薬作りはもっと前の明治時代には海外から医学が導入されて日露戦争の頃に廃業したらしいと島袋琉は聞いていた。
今でもその当時に製造販売が開始された正露丸、仁丹、龍角散、命の母、ロート目薬などは残っている。島袋家が薬作りを廃業したのは、時代の流れだったのだろうと島袋琉は思っていた。
たしかに祖母はシャーマンの気質を継いでいた。自分もたしかにヒメハブに咬まれた傷痕がある。
島袋家の後継者の昔話には、ある大名家の奥方から毒入り饅頭を出されて、どちらか選び毒入りでないほうを選べば褒美をくれると言われ、実際は2つの饅頭はどちらも毒入りだったのだが、どちらも食べてみせて味からどちらも毒入りと看破して、褒美をもらった話があるが、そんなことができると島袋琉はまったく信じていない。
島袋琉がまじまじと学園長の神宮寺桃子の顔を見つめていたが、神宮寺桃子が島袋家の昔話を知るはずもないと思い、わけがわからなかったが、檜垣家の当主とやらに会ってみることに決めて「はい、わかりました」と返事をした。
午後3時、檜垣隆史が学園の食堂で会った小太りの「おっさん」だとわかり、学園長の神宮寺桃子が退室して隆史とふたりきりになると島袋琉は思わず、吹き出して笑い出してしまった。

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