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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 462

多幸感を薬によってもたらすことに脳が慣れてしまうと、自力では気力が維持できなくなり、感情が希薄化してしまう。
粗悪な幻覚剤ではなく、お菓子などに希薄した〈天使の涙〉を染み込ませたり、飲み物に混入させることもできるが、1分〜2分で効果を発揮するには血管に血液に混入させるのが最速な方法である。
〈天使の涙〉の原液を使った料理は、食べた者をとてもおいしかったと感じさせる。酒に混入すればとても良い気分になる。
隆史の媚薬は女性を発情させ、脳の記憶が快感とつながったものを呼び覚ます。
〈天使の涙〉の多幸感は媚薬よりも強いが、記憶を呼び覚ますのではなく、思考を鈍らせてしまう。
わかりやすく言えば、思考の鋭さは失われる。
リラックス効果は抜群で、いい気分になるので快感を受け入れやすい気持ちになる点では、隆史の媚薬とはちがう別の媚薬ともいえる。
「〈天使の涙〉には隠された本当の効果がある。それは何だと思う?」
隆史は倉持志織と本条恵美に質問した。
「わかりません」と倉持志織が答えた。
「医療用モルヒネのような痛み止めですか?」と本条恵美が言った。
「避妊薬の効果がある。北川天が信者から集めた金で政界進出を狙っていたのを、あえて遅らせてまで金をつぎ込んで作らせたわけは、ここにある」
使用者に多幸感をもたらし、セックスすることの抵抗感を奪ってレイプしても、女性は膣内射精されてしまっても妊娠しない。
「これが蔓延したら、出生率は急激に下がる」
「……薬物兵器ですか?」
「使い道をまちがえれば、そういう使い方もできるだろう。妊娠しないからと男性がコンドームを使わなければ、性感染症の患者も増える。感情のコントロールが効かなくなって、自殺者も増える。フランス政府はアルベール・レノを始末して〈天使の涙〉の製造方法を闇に葬りたかったのかもしれない」
DGSE
フランス対外治安総局。
第二次世界大戦中のレジスタンスの情報網や、亡命政府の情報収集機関が統合された組織が前身。
現在は国防省の傘下で、主に国外で機密情報の収集や工作活動などを行う。イスラム圏における活動を得意とするとみられている。推定職員数は6000人。文民が軍人の倍を占めているという。
アルベール・レノは日本ではこれ以上〈媚薬の涙〉の売値が上げられないと判断した。
フランスはヨーロッパ最大の麻薬消費国である。
日本で芸能人が大麻の所持、使用で逮捕されたニュースを見て「なぜ日本は、こんなことで騒ぎになるんた?」とフランス人は不思議そうに首をかしげる。
合法化されているわけではなく、フランスでは、薬物使用は1年の懲役と3,750ユーロ(約50万円)の罰金が課せられることになっている。
大麻・ドラッグ市場は、ここ10年間で300%増加。大麻で12億ユーロ、コカインで8億ユーロ、その他の薬物も含めて年間30億ユーロをもたらしていると推定される。もちろん、密売なので、税金を払うこともないこの巨大な市場の下には、140万人の大麻消費者と65万人のコカイン消費者がいる。
年間、360万トンの大麻と20〜25トンのコカインがフランスに流入していることになる。大麻に関しては、ごくごく普通に使用されているケースも少なくない。
現在、フランスでは、4,000近い麻薬売買拠点があると推定されている。この拡大する麻薬密売拠点からは同時に銃などの武器が発見されることが多く、麻薬・ドラッグディーラーの武装化が進んでいることを意味している。
アルベール・レノがフランスに帰国した時期と、大麻・ドラッグ市場が拡大し始めた時期は一致する。
アルベール・レノと麻薬・ドラッグディーラーがなんらかの関係を持っていた可能性は高い。
日本では未完成だった〈天使の涙〉を完成させるために、帰国したのではないかというのが、徐麗花の推測だった。

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