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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 457

事務所に戻ってくると、美人をそばに立たせてソファーで隆史がコーラを飲んでいて、機嫌の悪そうな顔つきの黒岩組長と、それを無視している斉藤が、窓の外を見ていた。
事務所の扉の前で「原田さん、もう、わけわかんないすよ」と若い舎弟が原田義孝にぼやいていた。
(たしかに、これは、わけわかんないすよ、だな)
「隆史さん、あの人が原田義孝です」
恵美が小声で隆史に耳打ちした。
「遅い、てめぇ、私の顔をつぶすつもりか!」
黒岩組長が八つ当たりで原田を怒鳴りつける。
「あんたが原田義孝か。〈天使の涙〉っていう田辺源一郎からもらったドラッグを持ってたら、全部、俺にくれないかな?」
原田義孝の顔が一瞬ひきつったのを恵美は見逃さなかった。
ふたつの意味で原田義孝の顔がひきつった。
〈天使の涙〉を所持していることを隆史が知っているということは、田辺源一郎との体の関係も知っているということ。
黒岩茂に原田義孝は田辺源一郎から覚醒剤や〈天使の涙〉を譲り受けていることは、嫉妬するので黙っていた。田辺源一郎から譲り受けたセルシオは、黒岩茂に壊されて廃車になって、今の軽自動車に原田義孝は乗りかえている。
「なんだね、原田君、その天使のなんちゃらというかわいい名前のものは。それも、丸川興業のじじいにもらったっていうのは?」
「それは、その……あんた、何なんだ?」
「檜垣隆史様、檜垣家の御当主様です」
斉藤が原田義孝に言ったが、原田義孝は意味がわからず、隆史と黒岩組長の顔を見ている。
黒岩組長が隆史を見つめる目つきは、とてもうれしそうで、原田義孝は、自分を見る目つきが昨日までの黒岩組長とはまるでちがう、ゴキブリでも見るようなものになっているのに気がついた。
「マンションか、組の事務所に隠してるんだろうと思ったんだ。薬漬けにした女性にあずけたら、全部飲まれちゃうからな。でも、斉藤さんは組の事務所にないと言うし、黒岩組長は名前すら知らない。まだ残ってるなら、俺は渡したほうがいいぞ」
隆史はげぷっとげっぷをして原田義孝に言った。
「原田君、私のところに来たときに車のことを隠していたのは許した。でも、二度と隠し事はしないと誓ったはずだろう。なのに、原田君、きみは……」
どうやら黒岩茂組長は、ひとりで感情が高ぶってしまったらしく、唇を震わせ灘目になっていた。
(ヤバい状況だな、逃げるしかねぇ)
本条恵美が原田が逃げる気配を察して、素早く原田義孝に近づき、みぞおちに正拳突きを入れた。
原田義孝は息ができず、その場でうずくまった。
ボクシングでそれなりに体も鍛え、喧嘩もそれなりに強いと原田義孝は思っていたが、その自信も一瞬で崩されてしまった。
本条恵美は、徐麗花のボディーガードだった燕杏と格闘で渡り合えるぐらい強い。強さの格がちがう。

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