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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 455

斉藤吾朗はヤクザとして潜入して、内部事情を公安に報告している。
規模の大きな暴力団の重要な幹部を摘発するためには、証拠集めが重要で、そのための根回しを他の潜入捜査官と連携して行っている。
檜垣隆史については公安にも協力している人物で、政治家とのつながりもあり、ヤクザでも大規模な組ほと知られているという人物で、吾朗も公安から隆史の容姿などは教えられている。
「檜垣様、私が公安の者というのも隠していただけませんか、特にヤクザには」
「公安が何をしてるのかは興味ないから、それよりここの組長、俺のことわかるのかな」
「ここは鉄心会の傘下ですから、黒岩はわからなくても、鉄心会の組長は檜垣様のことをご存知だと思います」
「うん。鉄心会の組長は〈パンドラ〉の常連客だからね」
隆史はそう言ってソファーに座った。
銀座の高級クラブ〈パンドラ〉の店長、島田理沙子は隆史の愛人のひとりである。
公安は原田義孝については、ノーマークだった。
組長の黒岩茂について斉藤吾朗は調べていた。ある政治家の献金汚職に関わっているという情報があるためだった。
黒岩茂が1時間後、やっと事務所にやって来たのをみて、政治家と関係があるという情報はガセネタだと斉藤吾朗は確信した。
政治家と密接な関係があれば、黒岩茂が檜垣隆史を1時間待たせるような失態は許さないだろう。
黒岩茂が来ても、隆史はソファーに腰を下ろしたままだった。そのことを黒岩茂は、隆史に対して「歳上の目上の人と挨拶するときは、ソファーから立つのが常識だろう。君は礼儀を知らんのか!」と自分の立場を上の態度で対応するために威嚇した。
「人を待たせておいて、そんなことを言うんだ。あんたにはこっちは用事はないんだけど。原田義孝を引き渡してくれたらそれでいい」
「若造が、どれだけ知り合いがいるかは知らんが、この黒岩茂を怒らせたらどうなるのか、覚悟はできてるだろうな!」
斉藤吾朗が黒岩茂をあわれむように黙って見つめていた。
(組長も、見習いの舎弟も、同じ身分階級だな。どうする?)
斉藤吾朗は隆史がどうするのか黙って様子をうかがっており、本条恵美もまた斉藤吾朗と同じような表情を浮かべていた。
隆史と黒岩組長がそんなやり取りをしているあいだに、原田義孝は琉の口座に2千万円を送金した。
「生意気な若造が、出て行け、二度と来るな!」
俳優の西田敏行に似た顔立ちで髪を薄くした感じの黒岩茂組長が、隆史に怒鳴り散らしていたのが、ぴたりと止んだ。
本条恵美は隆史が〈神眼〉を使ったのだとすぐにわかったが、斉藤吾朗には何が起きたのかわからなかった。
「まあ、私としてもね、ヤクザの事務所でこれだけ怒鳴り散らされて、平然としているというのは、若いのに、大変度胸のある人で、うん、とても気に入った。あー、斉藤君、原田を事務所に来るようにすぐ連絡してちょうだい」
組長の椅子に座って笑みを浮かべている黒岩茂組長は、斉藤にそう言った。
「そうそう檜垣君、原田との用事が済んだら時間あるかなぁ」
「ない」
「うん、うん、そうか。食事を一緒にと思ったんだけど。今日が忙しいなら、また今度にしようね」
本条恵美が、黒岩茂組長の様子に眉をしかめた。
斉藤吾朗は、この様子から気がついたことがある。
(黒岩がゲイという噂は本当かもしれない)
原田義孝が丸川興業の組長と体の関係があったという噂。黒岩組長がゲイで、男性が男性客相手に性的サービスをする「売り専」の風俗店の常連という噂。

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