「初めの４回チャレンジするＭＡＸＢｅｔと４４５回のＭＡＸＢｅｔで、４億４千９百万円を賭けられたら、バーチャルパチンコは勝ちが見えてくる。完全な攻略法ではないけれど。ＭＡＸＢｅｔでも運が悪くて当たらなかったり、確率変動で当たらなかったら、当たるまで繰り返すことになる」
確率変動中は１／９９にバーチャルパチンコの機種はなる。ＳＴ１５０回で当たれば確率変動は継続。当たるたびに１２５０玉分Ｘ８倍の配当がある。
１／９９の当たり確率は
スタート／当たり確率／ハマリ確率
１０回　9.7%　90.3%
２０回　18.4%　81.6%
３０回　26.3%　73.7%
４０回　33.4%　66.6%
５０回　39.8%　60.2%
７５回　53.3%　46.7%
１００回　63.8%　36.2%
１５０回　78.2%　21.8%
２００回　86.9%　13.1%
３００回　95.2%　4.8%
４００回　98.3%　1.7%
５００回　99.4%　0.6%
５５０回　99.6%　0.4%
６００回　99.76%　0.24%
６５０回　99.85%　0.15%
７００回　99.9%　0.09%
８００回　99.96%　0.03%
９００回　99.99%　0.01%
１０００回　99.996%　0.004%
確率変動中は１０００円Ｂｅｔで１０回スタートだったとして１０００回の当たり確率にするには、１０万円分のＢｅｔでＭＡＸＢｅｔの百万円賭けをしなくても、よほど運が悪くない限り問題ない。
「用心して２０万円分のＢｅｔにしておいても４億４千９百万まで使わずに、４百万円以上は戻されてくるでしょう。１０００円Ｂｅｔで２０回転スタートするなら１０万円Ｂｅｔで、完璧ではないけれど確率変動を継続できることになります」
琉が自販機から離れ、客用の休憩スペースのソファーにひとりでいた徐麗花に声をかけた。
「たしか、あんた、学園に来てたよな？」
「食堂でいた子ね。私もおぼえているわ」
琉は徐麗花が、この闇カジノを小峰勝を店長にして運営しているオーナーだとは知らない。
今夜の麗花の服装は、メイド服ではなくチャイナドレスである。
「私と麻雀で勝負してみる？」
そう言われて琉は「あんたのカード残金がいくらあるかによるな。俺は１千万しかない」と先に残金を明かした。
対人ゲームで、麻雀ゲームもある。点棒の代わりにカード残金が増えたり減ったりしていく。
実際の麻雀よりも、闇カジノ麻雀のレートは高額勝負である。
通常のレートの多くは、テンサン（１０００点につき３０円）テンゴ（１０００点につき５０円）またはテンピン（１０００点につき１００円）で行われることが多い。
徐麗花の闇カジノでは１点あたり５００円。
半荘で１回の勝負が終了する。
−１００００点で５００万。
＋５００００点で２５００万。
高額の金額が半荘で動く。
琉は直感的にカードの残金を教える相手は徐麗花でタイミングは今だと判断した。
「なら、元手の作り方をひとつだけ教えましょう」と麗花はバーチャルパチンコの攻略法を琉に話して聞かせた。
確率変動を当てたら当たり確率を上げ、ハマリ確率を下げるために必要なスタート回転数をキープするＢｅｔ金額で賭けること。
「この方法はイカサマじゃないのか？」
「イカサマではありません。ただし、とても退屈です」