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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 377

隆史の寝不足でやたらとテンションの高い声が聞こえて、麗花に注意され、すいませんでしたって感じで上がってきた隆史と、座り込んで、泣きじゃくってはれぼったいまぶたに、目のしたにうっすらと疲れてきったくまのできた瑠々の目が合った。
瑠々の目から、一気に涙腺が壊れたかというぐらいの勢いで、涙があふれ出す。
「おー、よしよし、泣くと鬼が集まるぞ」
しゃがんで、瑠々の頭をなでなでしている隆史に麗花が「なに、それ?」と聞いた。
「俺が5歳ぐらいのちびっこの時に泣くと、大人はこう言って、よく頭をなでなでしてくれたんだよ」
「5歳じゃない!」
瑠々が隆史の頭を撫でようとする手を払う。
(麗花ちゃんみたいに抱きしめてくれるとか、そういうちょっとかっこいいこと、できないのかなぁ)
麗花が、なんとなく瑠々が思っていることを察して「たまに子供っぽいよね、隆史くん」と言った。
瑠々が「うん、うん」とうなずく。
瑠々の様子をかまいながら観察していた隆史が、茶色い小瓶をポケットから取り出し、静かにテーブルの上に立てた。
「微熱あり、泣きすぎの疲労あり、寝不足あり、俺の手を払う元気あり、と……」
「隆史くん、これが解毒薬?」
「ラベルに、どくけしそう、ってひらがなで書いておこうか。瑠々の様子を見てると、半分で試しておくか。過ぎたるは及ばざるがごとしだからな」
麗花に「ペットボトルのキャップ1杯おきに、水を1口ずつ飲ませたい」と隆史は言った。
麗花はミネラルウォーターのキャップを隆史に手渡し、水をグラスに注ぎながら「硬水、軟水、どっちがいいの?」と聞いた。
「水道水じゃないのはありがたい。硬水、軟水、どちらでもひとくちずつなら、問題なし」
小瓶を慎重に傾けて、器用にキャップに紫色の薬液を、飲むときこぼれないように7分目に注ぐ。
「さあ、飲んでみてよ」
薬液と、にっこり笑った隆史の顔を見比べてから、緊張しながらも、瑠々は薬液を口にはこび、こくっと飲み込んだ。
瑠々の舌の上に広がった味と香りは苦味や青臭さではなかった。
「クリームパン」
「瑠々のために、おいしいお薬にしたよ」
グラスから水をひとくち飲むと、口の中がさっぱりする。
「がんばって飲まないとな」
またキャップに薬液をそっと移しながら隆史が言った。
(味にこだわりすぎなかったら、一晩かからなかったんじゃないかしら)
麗花は、瑠々がいかがわしい毒薬で急にのたうちまわって死んでしまわないか本気で心配していたので「クリームパン」の味と聞いて、緊張の糸がほどけて、疲れを一気に感じた。
このあと小瓶半分の量の薬液を瑠々が飲み終えるまで、全員に会話はなかった。
「瑠々、おつかれさま」
「うんっ」
隆史が言って瑠々の頭を撫でたが、今度は文句を言わずに撫でられていた。
「瑠々が毒に強い体質で本当に良かった」
隆史がそう言って、ふう、と息を吐いた。
なごますようなことを言っていても、隆史もかなり緊張していたのかもしれないと、麗花は思った。
「さて、残りの薬液だけど、これは麗花に紅茶に入れて飲んでもらう。毒消しだけど、カフェインと融合すると、疲労回復に効果あり。残念なのは、俺には効果がないってことだな」
「隆史くんには効かないお薬なんですか?」
瑠々が小首をかしげて小瓶を見つめた。
(そうね。隆史くんには毒は効かないんだから、薬も効果なしね)
麗花は何の疑問も感じずにそう思ったけれど、あれっと何かひっかかる感じがあった。
ちょっとした違和感なのだが、よくわからない。
「どのくらい入れていいの?」
ティーカップに紅茶を用意して、テーブルの前に座った麗花が隆史に聞いた。
「味をみながら入れていくほうがいいな」
「クリームパン味でしょう?」
「それは原液を直接飲んだときだよ」
キャップに7分目で1杯入れてみる。
麗花は紅茶の香りに変化がないので、ひとくち飲んでみた。
「甘くもないし、普通のストレートティーみたい」
「じゃあ、次は追加3杯入れて、合計で4杯。飲んでみて」
「わかったわ」
こくっ、とひとくち麗花が飲むとふわっと体があったかくなった気がしら。
(あれ、この感じはどこかで)
隆史に伝えると「味は?」と聞かれた。
「味は同じよ」

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