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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 373

今夜、麗花は食欲がなかった。何も食べる気が起きなかった。
組織が用意してくれた2LDKの部屋がとても広く感じて、床に座り込み冷蔵庫に背中をあずけて明かりも灯さずに、暗いキッチンにいた。
隆史は明日の朝までには瑠々の分だけでも解毒薬を完成させると、バスを待つ間に麗花に言っていた。学園のスポンサーは檜垣家で、隆史が必要なときには利用できることになっていると話していた。
冷蔵庫のそばで座り込み、動きたくないと思いながらも、トイレで排尿を済ますと、ふらふらと冷蔵庫に背中をあずけて座り込み続けて朝を迎えた。
隆史は解毒薬作り出すことはできただろうか。
中国から離れて、組織からも離れていた気持ちでいたが、お好み焼き屋の「ばあちゃん」の前で、そして檜垣隆史の前で話を聞いていた時は、組織の後継者の徐麗花の立場に戻っている自分を感じた。
麗花は朝8時すぎに携帯電話が鳴ったので出てみると、瑠々の声だった。とても疲れ切っているのがわかる。
麗花ほお好み焼き屋に電話で連絡すると、店から昨夜のうちに連絡して話をつけておいた4人のヤクザと寝ている隆史を起こして行かせるから、少し遅れてバス亭に迎えに行きなさいと「ばあちゃん」は言って電話を切った。
瑠々がすでに池内和雄とどこかで待ち合わせ、一緒に行動しているとすると、隆史たちがバス亭を張り込んでからでなければ、池内和雄に部屋に侵入されかねない。
麗花は暑いシャワーを浴びてから、バス亭に緊張しながら瑠々を迎えに行った。
瑠々は制服姿で、学園指定のバックに着替えなどをつめこんでぽつんと一人で麗花を待っていた。目のしたにうっすらとくまができているのが痛々しい。
麗花はバス亭で周りを見渡してみるとバス亭のそばに一台の黒塗りのベンツがコインパーキングに停車しているのに気がついた。
池内和雄の車かもしれないと思ったが、助手席のドアを開けて降りてきて、一度のびと膝の屈伸をして車内に戻ったのは隆史だった。
麗花は瑠々を連れて賃貸マンションの5階の部屋に戻ってきた。あやしい尾行者がいれは、たとえ住人のあとから1階ロビーまで侵入しても常駐している警備員に止められるだろう。
5階の何号室か瑠々が連絡しなければ、池内和雄にはわからない。
部屋に上がらせて、荷物を下ろした途端に瑠々は涙をぽろぽろとこぼして、麗花に抱きつき「もう嫌、家出してきたぁ」と言った。
泣き止むのを待って瑠々にティパックで紅茶を淹れ甘めのミルクティにしてマグカップを渡すと、両手で持って、こくっと少しだけ飲んだ。
木曜日の帰宅時に送迎車に乗った瑠々はそのまま連れ去られた。運転手はラブホテルの地下駐車場に停車させると「森口さん、あの、ここは?」と不安げに言う瑠々を置いてきぼりにして車を離れた。
怯えた瑠々が車の後部座席から出て、誰かに助けを求めようと歩き出すと、背後から足音がした。
運転手の森口が車に戻って瑠々がいないのに気づいて追ってきたと思った。
森口は40歳の中年で、革靴に黒のスラックス、上は白ワイシャツに黒のチョッキ、手には白手袋、帽子。足音は革靴だと思った。叫びながら逃げることもこわすぎて声も出ず、瑠々は走って逃げた。
そして、柱のかげに隠れて息を潜めた。
探すのをあきらめたのか足音が離れていく。
瑠々がそれでも、柱のかげから自分の走ってきた方向に顔をのぞかせていると、そっと近づいていたスニーカーをはいた男が瑠々の髪をつかんでぐいっと引っ張った。
「痛っ!」
駐車場に引き倒された制服姿の瑠々が起き上がろうとして、抱きつかれて服の上から乱暴に胸のふくらみを揉まれた。
瑠々の左脚のふくらはぎの脇に、すり傷ができている。その転ばされた時の傷だ。
「山崎さん、僕のことをおぼえてないの?」
その声には聞き覚えがあった。
「えっ、池内さん?」
池内の手は止まらず、瑠々のスカートの下の太もものあたりを撫でまわしている。
「やめて下さいっ!」
瑠々が密着してくる池内の体を押し退けようと突飛ばすと、池内がふらついて瑠々から離れた。
逃げるチャンスだと思った瑠々が柱のかげから出たところで手首をつかまれた。

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