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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 371

図書館を瑠々と別れて出ると、図書館の入口のそばで隆史が待っていた。
「麗花、なんか、瑠々の様子おかしくないか?」
麗花は、あなたのせいでしょう、と言いたくなったが、隆史の表情が心配していてこわばっているので「瑠々はいつもの南のテーブル席よ」と隆史に教えたが、隆史は図書館の中に入って行かない。
「麗花、ちょっと気になる噂があって、今からお好み焼き屋に俺と来てくれないか?」
(なんで、このタイミングでお好み焼き屋?)
麗花はそう思ったが「相談があるんだ」という隆史について行くことにした。
「ばあちゃん、ちょっと2階でいいかな?」
「あいよ」
前に来たときは顔が崩れそうな満面の笑みだったお好み焼き屋の「ばあちゃん」が今日はなぜか、笑顔がない。
隆史が店に入ると、開店中の木ふだをひっくり返して、準備中にして、のれんを店内にてきぱきとしまいこんだ。
「麗花、ちょっと階段狭くて急だけど気をつけて上がって」
「おじゃまします」
「ばあちゃん、東京わかば銀行の取引先の中之山製薬の噂を麗花にも聞かせてやってくれ」
「隆史ぼっちゃん、このお嬢さんは?」
「私は徐麗花といいます。上海から来ました」
「上海……徐家……慶龍?」
「そうです」
お好み焼き屋の「ばあちゃん」は驚き、何度もぱちぱちと素早くまばたきをして、麗花を見つめた。
「その目の色は鬼眼って言うんじゃないかい?」
「そうです」
「わかりました、隆史ぼっちゃん。この御令嬢にも聞いていただきましょう」
中之山製薬。業界では中の下といった規模の企業だが、自社で薬の開発を行い、下請け業務もふくめて営業、販売している。
「隆史ぼっちゃんに頼まれて、中之山製薬に務めていた元部長に大手製薬会社の開発部の転職話をつないでやりましたらね。元部長とおつきあいなさっている受付嬢と友人の秘書課の子から、東京わかば銀行に取引してる専務の馬鹿息子の話は、社内でも有名だそうですよ。この馬鹿息子はまだ大学生なんですが、卒業したら山之内製薬の入社の予定なので、遊びまわってるらしいんですよ」
「専務のコネで押し込む気だろう。よくある話だよね、ばあちゃん」
「それがねぇ、隆史ぼっちゃん、動物実験の終わった開発中のお薬を臨床試験で治験するのは社員がやるらしいんですよ。でね、不良品の中に幻覚剤みたいな効果があったお薬がたまたまできたらしくて、お薬は廃棄処分されてるはずなんですけどね」
「たまたま、に、されてるはず、ね」
「専務の池内真喜雄の息子の和雄がね、売ったり使ったりしてるっていう噂で。山之内製薬の専務でも肩書は立派ですけど、中の下の企業ですから息子に遊ぶ金を渡せない。でも、借金を作られるよりかはって金のかわりに薬を渡してるってわけで」
(東京わかば銀行、山之内製薬、池内…………隆史くんは、瑠々ちゃんの縁談話を本当は知っていた?)
「ヤクザの売人の縄張りで売れば、それなりにやられるんじゃない?」
「自分が売らないで援助交際で会った女たちに売らせて、他人名義の口座に振り込ませてたらどうですか?」
「使わせてやるから売ってこい、か。売り物を使ったら女が買い取りか?」
「まだ使ったことのない女を紹介してやらせてくれたら、薬代はまけてやるとかね。馬鹿だけど、元手はタダてすし、ブツの成分は違法薬物にギリギリかからないらしくて」
「あー、情報の出どころはそっちか。で、なんとかしてくれって?」
隆史と「ばあちゃん」の話を麗花は黙って聞いていて、山崎瑠々のさっきのおかしい様子を思い浮かべた麗花は唇を噛んだ。
(瑠々は薬を使われたってこと?)
「さて、どうしたものかな。ばあちゃんのとこのお姉さんたちも、買わされたね」
「隆史ぼっちゃんに解毒のお薬作ってもらわなきゃかわいそうで、かわいそうで」
お好み焼き屋以外に商売をしている「ばあちゃん」らしいと麗花にもわかってきた。
お好み焼き屋の「ばあちゃん」はエプロンのポケットからちり紙に包んだ薬を隆史に渡した。
「10錠か。もうちょい欲しかったけど、しょうがないな。もたもたしてたら学園もやられる」
ちり紙の包みを開いた隆史が、1錠つまんで口にひょいっと入れ、奥歯でガリッとすりつぶす。
「あっ、隆史ぼっちゃん、半錠づつ使うらしいのに1錠噛んじゃ危ない!」
「ん、まずっ、ばあちゃん、コーラ」

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