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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 365

「くっ、なら、来週の授業は君がやってみろっ、教材は高校生用のものや、画集も美術準備室にあるからな。ブルー・ムービーの放映会をやるなんて安直なことを言ったら、退学してもらうからな!!」
そう言って、授業の途中で美術教師の山本は職員室へ帰ってしまった。
「あー、檜垣くん、山本先生、泣きそうな顔で怒ってたよ」と瑠々が隆史に心配そうに話しかけた。
「来週は、泣かせてやるからな」
隆史は翌週、瑠々を助手にしてホワイトボードに芸術家と作品名を書かせたり、資料の画集をクラスで回して見させたりして、授業をした。
美術教師の山本は前の隅にパイプ椅子に腕を組んで座り、不機嫌な顔で隆史をにらんでいた。
隆史が「美術っていうのは、常識をどうやって乗り越えてきたかってことを知るってことなんだけど、じゃあ、どんな発想をすればいいかってことは俺には教えられない。それぞれ考えながら生きてくれ」と授業を終えた時、一番感動していたのは生徒ではなく、美術教師の山本だった。
宗教を布教するための作品。
精密な画風の肖像画の作品。
写真と印刷技術の話。
「そりゃそうだよな、3ヶ月から半年ぐらいかけて画家ができましたって持ってきたら、ルノアールみたいに、こんな服装で描いてくるなんてっ、とか依頼人とトラブルになったりしてたのに、カメラでバシャッって、すぐ持ってきたら、細部も精巧。画家じゃなくていいじゃんって、肖像画から写真の時代になるわけだ」
「檜垣くん、芸術がとてもお手軽になっちゃったってこと?」と瑠々が質問する。
「そういうこと。でも、そこからがアートってすごいんだよ。そこから芸術は何ができるか、って生き残る道を開拓してきたんだ。美しい絵を描いたからすごいっていうんだったら、写真に負ける。ちがうんだ。固定概念から解放したんだよ。今から言う人の名前と作品名をホワイトボードに書いて」
マティス。
「緑の線があるマティス夫人の肖像。そう肖像画だから肌もきれいに美しく、それも自分の愛する妻をどれだけきれいに描いたのって思ったら、画集で見てわかるとおり鼻筋が緑色なんだよ。背景もどこなのかわからないし。発表当時は酷評された。マティスの奥さんかわいそうって。でも、マティスは、こう考えた。絵だけど見たままで描かなきゃいけないって思い込みじゃないって」

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