PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 360
 362
の最後へ

媚薬の罠 362

ウクライナ国境付近でのロシア軍の部隊の増強は、10月末頃から始まり、翌年1月にはアメリカはウクライナに注意喚起をするようになっていく。
ウクライナはNATOに加盟していない。ロシアはウクライナとくらべると少なくとも10倍は軍事予算を投入している。
隆史の予想は的中していた。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャなどにおいて、ロシア軍による大量の市民の殺害が明らかになる。
アメリカは同盟国と協議して、ロシアへの新規投資の禁止、プーチン大統領らの家族や最大手銀行のズベルバンクを対象に指定する追加制裁を発表した。ロシアへの西側の制裁は段階的なものであり、追加制裁の余地を残しながらロシアに圧力をかけた。
アメリカは世界最大の武器輸出国である。
ウクライナが1991年末に独立した時点で、ウクライナ軍は次のような編成であった。
兵士780万人、戦車6500輌、戦闘車両7000輌、大砲7200門、軍艦500隻、軍用機1100機。
1240発の核弾頭と176発の大陸間弾道ミサイルという、当時世界第三位の規模の核兵器も保有していた。
しかし、独立してから大規模な軍縮が始まった。
核兵器に関して言えば、当時、アメリカとロシアから核兵器を放棄するようにという強い圧力がかかっていた。
経済危機やハイパーインフレに苦しんでいたウクライナはこの圧力に抵抗する力がなかった。
ウクライナは無条件に3年間ですべての核兵器を放棄するという決断を下した。
ソビエト連邦共和国の軍事戦略上、最も重要であったヨーロッパ方面に位置するウクライナには、大きな軍隊を駐屯させておく必要があった。そしてソビエト政府は、ウクライナを自国の不可分の一部として認識しており、そのウクライナがいつか独立するなど、まったく想定しなかった。
そのようなウクライナは永遠にソ連の一部であり続けるという前提で置かれた軍隊は、ある日突然、ウクライナの意思と関係なく、ソ連の崩壊によってウクライナに受け継がれた。
核兵器の放棄の見返りとして、アメリカ合衆国、イギリス、ロシアはウクライナの領土的統一と国境の不可侵を保証する、という内容の議定書を取り交わしたと発表した。だが、議定書は国際条約ではないので、それを守る法的義務はない。
実際の国際関係では、法的拘束力のある国際条約ですら守られないことが多い。
ウクライナ側がなぜその条件で同意したか。
ウクライナは、核弾頭や弾道ミサイルそのものだけではなく、それを格納、発射するためのインフラ、施設も破壊した。
例えばウクライナ国内にあったミサイルサイロも破壊された。ロケット博物館に、一つのサイロは残っているのだが、これは展示物である。
他の兵器はウクライナは軍縮政策を取り、かなりの量を、ロシア、アフリカ、アジアなどに売却した。
有名な話としては1998年に未完成の航空巡洋艦ヴァリャーグが中国に売却された。中国側が水上カジノにし、軍事的使用はしないと約束したが、その後、船が中国で完成されて、今は中国軍の空母、遼寧として稼動している。
ソビエト連邦共和国の崩壊で受け継いだ兵器をウクライナが売却して利益を得るためには、アメリカ、イギリス、ロシアの核兵器放棄の提案に同意しなければならなかったのである。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す