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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 357

「麗花を生かすために」
「母の柳珠蘭の命を犠牲にして私は生かしてもらったと悲しく思うことも何度もあった、食事ができなくなるぐらい思いつめたこともね。母に置いていかれたような気持ちにもなったわ。でもね、どうして母の柳珠蘭は娘の私を生かしたかったんだろうって考えたの。自分が死んでしまったとしても、幸せに思えるチャンスを娘に残したかったんじゃないかってね、死んでしまったら、つらいことはないかもしれないけど、幸せって思えることもない」
「俺の親父の雅樹も、俺に幸せになってほしくて、いろんなものを残したのかな?」
「そう考えたほうがいいと思う。死んでしまった母の柳珠蘭が本当は何を考えていたかなんてわからないし、隆史くんのお父様やその恋人の龍之介さんがなにを思っていたかはわからない。わからないけれど、幸せにならなきゃって思えるでしょう?」
「隆史くんは麗さんも犠牲になったと思ったかもしれないけど、麗さんは〈神眼〉を使わずに生きていくこともできるし、もしもの時はお父様が残してくれた目薬を隆史さんが作って治療もできる。隆史くん、自分の生き方は選べるけど、他人の生き方までは責任取れないんだよ。その人がやりたいことしかできないんだから。犠牲になったのはそうかもしれないけれど、麗さんから隆史さんに、こんな力いらない、恨んでる、って言われたわけじゃないでしょう?」
「うん、言われてない」
「ねぇ、隆史さん、お父様と龍之介さんは〈神眼〉の力を何に使ったの?」
龍之介は自分が死んだと見せかけるために使い、雅樹は恋人の龍之介といちゃいちゃするのに使った。
「隆史さんは私とセックスするのに使った」
「媚薬がないときのかわりにはなる。慣らしがないと危険だと思ったから」
「清水さんを説得するのに使った」
「ちょっと強引すぎたと反省してる」
「私のことを心配して〈神眼〉を使ってくれた。それに隆史さんが説得できなかったら、清水さんを売り飛ばさなきゃならなかった。使ってよかったのかもしれないよ」
麗花はそう言って隆史にチュッと軽いキスをしてから立ち上がった。
「私の目の色はめずらしいけど、これは徐家でまれに生まれてくるらしいの、祝福された後継者の証とされていた時代もあったそうよ。でも〈鬼眼〉って呼ばれてるんですけどね。色はめずらしいけど、実用的じゃないわ。隆史くんの〈神眼〉のほうか実用的だわ」
「そうでもないよ。俺は麗花の瞳はとてもきれいだと思う」
「隆史くんが気に入ってくれてる。それだけでこの目の色は役立ってるわ」
麗花の瞳の色は琥珀色(アンバー)で、光の加減では金色にも見える世界でも希少な色の瞳を持っている。
狼の目(Wolf eyes)とも呼ばれる。麗花の一族では〈鬼眼〉と呼ばれているようだ。
龍之介は〈神眼〉を檜垣家当主のように巫女から受け継いだのか、そうでないのか文献を調べているがよくわからないのだと隆史は麗花に言った。
「誰でも訓練して使えるようになる力だとしたら、世に広まったら困るから、書き残したりしないんじゃないかしら」と徐麗花が言った。
「私が〈神眼〉を使えたら世界征服ぐらいできるかもしれない。使い方しだいでは、こわいこともできる力ね。隆史くんと麗さんなら心配ないけど」
「そう言われると、そうかもな。インドから唐の時代の中国へ、それから日本に渡ってきてずいぶんたつのに〈神眼〉使えるって人の話は聞かないな」
「もし使えても、他人に見つからないように使ってるんじゃないかしら。目立ちすぎたら、利用できないか考えたり、脅威に感じて殺そうとする連中だっているかもしれないでしょう?」
アドルフ・ヒトラー。ドイツの政治家。第三帝国の総統兼首相、ナチスの指導者。雄弁の才能をもっており、いつも演説会で聴衆を熱狂させたという。
状況と才能の行使のタイミングが合った時、一人の才能が多数の人を巻き込んで大きな影響を与えることがある。
〈神眼〉の催眠も使うタイミング、そして誰に何の暗示を与えるかによって、一人の才能が与えるきっかけから、大きく世界の状況を動かすことができるだろう。

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